3日間はあいにくの天候ではあった。それでも「ライフスタンス」に関してなんらか興味を持った方が訪れた会場には、不思議な暖かさやつながりがあったように感じられた。

会場自体の様子は、初日にレポートしたこちらの記事も読んでみてほしい。今回は実際に3日間過ごした会場の様子や出展者の様子をお伝えしたい。





ライフスタンスに関して多くの方が交流するイベントは初めてだった。実際に、ライフスタンスを示しながら出店したブランドは、どのような変化や手応えを感じたのだろうか。3日間の「Lifestance EXPO」を振り返ってのコメントを出店者に聞いてみた。

花や植物の流通の課題に取り組みながら、花の専門店を営むBOTANIC代表取締役CEOの上甲友規氏は、3日間の出展を振り返って以下のように語る。

上甲氏「他のイベントでは出会えないような、サステナブルな取り組みへの感度の高いお客様と出会えたことが大きかったです。普段なかなかそういったコミュニケーションをとれていなかったなと思いました。今回のイベントに来ていたお客様は、自分たちが何を目指して、どのようなアプローチをしているのかという背景の部分にまで関心をもってお話してくださる方が多かった印象ですね」

学芸大学でグローサリーストア「FOOD&COMPANY」を営む、FOOD&COMPANY Neighbors代表取締役の白冰氏は、今回の出店を通して「出店者同士にもコミュニケーションが生まれ、これからも続いていく“つながり”が生まれた」と話す。

白冰氏「お客様とのつながりはもちろんですが、出店者同士がつながるいい機会になったと思っています。ある意味競合にもなり得るのですが、競争するのではなく、共通する考え方を持っているのであれば、一緒に協力して考え方を広めていこうというスタンスが大事ですよね。

トークセッションで一緒に登壇した『わざわざ』さんとは、今回初めてお会いにしたにもかかわらず、『どうやって本当に“いい”商品をサステナブルに届けていくのか?』という問いに対するスタンスに共感する部分が多く、話が止まらなかったです。今度お互いにお店を訪問しあいましょうという約束もして、これから何を一緒にできるかについての話で盛り上がりました」

「問い」がベースにあるからこそ、そこから対話が生まれ、新たな共創へとつながっているようだ。

モデレーターとゲスト2名によるトークセッションは、3日間で合計10回開催。各セッションで設定された「問い」がその場で深められていく、臨場感のあるセッションとなっていた。トークセッションの内容については、後日inquireからレポート記事を出す予定となっている。


会場には、マーケットやトークを楽しむだけでなく、来場者が自らのスタンスを問い直すことができるような工夫も。イベントを通して関心が深まった課題、共感した取り組みを可視化できる機会となっていた。

私たちは日々、多くのものを売買しているが、その一つひとつを振り返る機会はなかなかない。

「なぜ、ものをつくり、売るのか?」
「どんなものを、誰から買いたいか?」
「どうしたら、より良い未来を選べるか?」

そうした問いに改めて向き合う機会となった「Lifestance EXPO」。

来場者はきっと、今後も日常生活のふとした場面で、イベントを通して生まれた問いを思い返すのではないだろうか。また、今回の出展者同士がつながり、新たなコラボレーションも生まれていくことだろう。

トークセッションに関するレポートは今後もinquireに掲載予定だ。会場に足を運ぶことができなかった人も、ぜひ問いを深めるきっかけとして読んでみてもらいたい。