ドラッグストアのスキンケアコーナーで、化粧水ボトルの成分表示をじっくりと眺める女性をよく見かける。小さく書かれた成分名を指でなぞり、自分の肌に負担となるような物質が含まれていないか確認しているようだ。
以前取り上げたProseのカスタマイズシャンプーのように、自分の好みに合わせて商品をカスタマイズする流れが美容業界に広まりつつある。毎日のように自分の肌に触れるものとなれば、なるべく自分の肌に合った安全な製品を使いたいと思うのは自然なことだ。
しかし既に店頭で売られているスキンケア商品は、使われている材料も作られる過程も消費者には見えないため100%安心することは難しい。ならば自分好みにプロダクトを作ってしまえば、消費者の不安を取り除くことができるのではないか。
そこに目をつけたのが、ニューヨークのスタートアップLOLIだ。創業者は、大手化粧品会社LOREAL(ロレアル)とESTEE LAUDER(エスティ ローダー)の重役を務めていたTina Hedgesだ。
LOLIは、消費者が自ら材料を選んで作れるスキンケア商品を販売している。取り扱っている製品カテゴリーは化粧水・乳液を始め、美容液やスクラブ、ヘアケアなど全部で6種類。これらの製品を自分でカスタマイズして、LOLIのオンラインサイトから注文することができる。
オーダーの流れは比較的シンプル。製品のベースとなる成分を選択してから、自分の好みで美容効果の高い材料を最大3つまで追加するだけ。
注目すべき点は、これらの材料を調合するのが消費者自身であるということ。ベース成分と追加する材料はそれぞれ容器が個別で届くため、どのような配分で、いつ配合するのかを自分で決めることができる。カスタマイズする材料はすべてオーガニックであり、フェアトレードによるものだ。
初心者向けに、すでにベースも追加材料も決められており、調合方法のレシピが同包されているキットも販売されている。美容に関心はあるものの、知識があまりない人にとっても気軽に試すことができそうだ。現段階では、商品の配送はアメリカ国内のみ。
この事業をきっかけにLOLIは、消費者が美容効果の高い成分や材料についての知識を深めると同時に、市場に流通しているスキンケア製品の大部分がいかに化学薬品で満たされているかを認識することを目標として掲げている。
自分が使うものは、自分が一から作る。DIYの流れが今後美容業界にどのような革新をもたらしていくのか、ますます目が離せない。
画像引用元:LOLIオンラインサイト、LOLI公式Instagram