アクセシビリティの推進と現場の課題

デジタル技術の普及に伴い、Webサイトを通じたサービス提供が一般化し、すべての人が利用できるアクセシブルな環境構築が不可欠となっている。

デジタル庁が「Webアクセシビリティ導入ガイドブック」を公表したことに加え、2024年4月に施行された改正障害者差別解消法により、民間企業においても障害のある方への合理的配慮の提供が義務化された。

そうした流れがある一方、現場では、専門的な知識やリソースが不足し、なかなか進捗しないという状況もおきている。AXYはその隙間を埋めようとするツールだ。

シンプルな操作で、高度な品質検査を可能に

AXYはブラウザ拡張機能として提供される。評価対象のWebサイトを開き、ボタンを押すと、品質検査が走る。開発中のサイトや非公開環境にも対応しているため、リリース前から検証サイクルに組み込むことも可能だ。

検証エンジン「axe-core」がコードを解析し、生成AIが見た目や文脈を評価する。問題箇所と具体的な改善案を明記したPDF形式のレポートも自動生成され、チーム内での情報共有や開発者への修正依頼にそのまま活用できる。

また、AXYの射程は、標準的なアクセシビリティ基準にとどまらない。CULUMUがインクルーシブデザインの実践を通じて蓄積してきた独自データベースを活用し、「わかりやすい日本語表現」「正しい専門用語の使用」「デザインガイドラインの遵守」といった、情緒的・認知的な観点からの評価にも応用できる設計になっている。

企業のアクセシビリティ向上を総合的に支援

CULUMUはAXYの提供にとどまらず、アクセシビリティ方針の策定支援、組織内運用プロセスの設計、技術・知見の提供まで、企業全体のアクセシビリティ向上を包括的にサポートするとしている。
現場が「何から始めればいいかわからない」という状態から抜け出すための起点として、AXYの役割は小さくないだろう。専門家の知見をシステムに実装し、組織の中にアクセシビリティ対応の習慣を定着させていくことに期待したい。