24歳からスタートアップの取材を始めた。
サービスローンチ、資金調達など、節目節目で話を聞く。半年〜1年ほどの時間しか経っていなかったとしても、彼らの過ごした時間の密度は濃かった。
取材のたび、取材場所は変わる。資金調達など取材のタイミングでは、スタートアップのオフィスは移転の直前や直後だったりするからだ。
急速に成長し、頻繁に彼らはオフィスを移っていく。自らの成長速度に合わせて、適したサイズの空間に移行しなければ、成長の曲線も緩やかになってしまう。
毎度のように耳にしていたのは、オフィスを移転するにあたっての苦労だった。小規模オフィスやSOHOを利用しているスタートアップが拡大移転をする際に、適切な規模の物件を確保することが難しい。
オフィスビル契約には厳しい入居審査の基準や高額な敷金などが求められる。組織規模が急拡大してしまうがために、短期間での利用を前提にオフィスを借りる際に内装投資や原状回復になかなか費用はかけられない。
そんなスタートアップの悩みに寄り添うサービスが登場した。
15〜50人規模のスタートアップチームに向けた中規模ワークプレイスの提供サービス
株式会社ツクルバは、15〜50人規模のスタートアップチームに向けた中規模ワークプレイスの提供サービス『HEYSHA』を新たにリリース。1号店のオープンに向けて入居希望受付を開始した。
HEYSHAは、40坪から80坪程度の中規模オフィスに入居を希望するチームに対して、最短3ヶ月から利用できるワークスペースを提供するサービスだ。
スタートアップが同サービスを利用することで、敷金、礼金、内装費用など、初期費用を大幅に抑えられる。最短3ヶ月から契約もでき、3か月毎の契約更新にも対応するという。内装は造作済みの為、造作期間や内装の打ち合わせもいらない。組織規模の変化に柔軟に対応してくれる。
「オフィス」や「働く」を時代に適した形に
HEYSHAはスタートアップのニーズに応えたサービスであると同時に、今の時代におけるオフィスサービスとしての可能性を示している。今、空間は柔軟に多様なニーズに可能な限りオンデマンドに応えることが求められている。
海外では、ニューヨークやサンフランシスコ、ロンドンに40カ所以上展開する「Knotel」というコワーキングスペースも登場している。コワーキングスペースといっても、「本社」を探している会社を対象にサービスを提供している点が他のスペースとは異なる。
成長中の企業であれば人員の増減は当たり前のことだが、「Knotel」は企業の変化に柔軟に対応し、オフィスマネジメントの負担を減らしているという。柔軟に対応するがゆえに、企業は「Knotel」出ていかないでとどまっているという。
人の流動性は高まっており、組織のサイズも時代の変化に合わせて変化する。そこに柔軟に対応してくれるサービスが求められている。
流動性の高い時代において、凝り固まった従来の不動産のルールは窮屈だ。仕組みをハックし、時代のニーズに応える動きがこれからさらに増えていく。
HEYSHAが不動産を時代に適応させる先駆けとなってくれることにも期待したい。
【情報開示】UNLEASHを運営するinquireは、ツクルバが運営する『remark』を共同で運営している。