“1階づくりはまちづくり”をモットーに、さまざまな建物の1階や道路・歩道、公園、公共空間などのディレクション・コンサルタンティングを行う株式会社グランドレベルが、地元コミュニティ型の新業態喫茶店「喫茶ランドリー」を2018年1月5日(金)にオープンした。設計は、リノベーション分野で知られる設計事務所ブルースタジオが手がけた。

「喫茶ランドリー」は、コーヒーや紅茶、軽食を楽しめる喫茶空間だけでなく、洗濯機や乾燥機、ミシンやアイロンを使うことができる「まちの家事室」が併設されている。家事室に設置されている洗濯機・乾燥機は、コイン式ではない点も特徴だ。

銭湯の番頭台のように、コーヒーを購入するカウンターで受付と料金の支払いを済ませ、洗濯機・乾燥機を借りることになる。これまでもコインランドリーにカフェやバーが併設される事例はあった。だが、コイン式ではなく、有人で対応することでまた違った体験になると考えられる。

「喫茶ランドリー」は、家事を渋々とひとりでこなすものから、友人知人と快適な空間で楽しみながらするものへ、誰かがしてくれるものから老若男女みな自分のことは自分でできるように多角的に応援していこうとしている。

家事代行サービスなども登場し、家事をアウトソースしようとする流れに対し、「喫茶ランドリー」はアンチテーゼを打ち出している。

グランドレベルは日本のまちづくりにおける1階の風景に課題意識を持ってきた。日本は都市・まちづくりに「1階づくり」のルールがないことで、まちは今やエントランスやロビーだらけになってきている。ソファだけが置かれているエントランスフロアは、いかにも入りづらい。

グランドレベルは「喫茶ランドリー」のような空間を生み出すことで、人が関わりやすい状態を作ろうとしている。彼らは、「喫茶ランドリー」を日常づくりを実現させるプロトタイプとして位置づけており、今後もさまざまな1階づくりに展開させていく方針だ。