ライトライトが2020年にスタートした『relay』は、M&Aにおいて伏せられがちだった売り手企業の情報を実名(オープンネーム)で公開し、経営者の想いや事業のストーリーへの「共感」をベースに後継者を募る画期的なプラットフォームだ。
前回調達(2023年9月)以降、潜在的な廃業予備軍へのアプローチを地道に続けた結果、自治体連携数は450%以上、第三者承継マッチング件数は300%以上と大きな成長を遂げている。地域の事業者が安心して相談できる体制づくりと、『relay』が培ってきたノウハウが結実し、多様な業種・エリアで次々と新しいマッチングが生まれている。
今回の調達資金(引受先:HIRAC FUND、ひだしんイノベーションパートナーズ、なんぎんキャピタル、三星グループなど)をもとに、ライトライトは事業者がより承継を考えやすくなる仕組みづくりや、小規模事業者でも使いやすい機能開発、そして関係人口を創出し地域に担い手を呼び込む基盤づくりを推進していく。自治体との連携をさらに強化し、事業承継を「あたらしい起業のかたち」として全国へ広げていく構えだ。

後継者不足の影に潜む「サイレント廃業」の実態
中小企業庁のデータによれば、休廃業する企業の約7割が「自分の代で閉めようと思っていた」「事業に将来性がない」という理由をあげている。その背景にあるのは、後継者不在の問題が顕在化する前に、事業承継という選択肢を検討する機会すら持てないまま事業を閉じてしまう「サイレント廃業」の存在だ。
ライトライトが全国の自治体と連携し、約5万社の小規模事業者を対象に行った独自の意向調査では、実に37.2%もの事業者が「後継者不在・廃業予定」と回答している。日々の業務に追われる地域密着型の事業者は、後継者について自発的に相談するきっかけを掴みづらく、結果として廃業を選ばざるを得ない現状が浮き彫りになった。

終わりではなく、はじまり。「あたらしい起業のかたち」へ
ライトライトが提唱するのは、「事業承継は、あたらしい起業のかたちである」という考え方だ。
事業承継は、単に既存の事業をそのまま引き継ぐだけではない。地域に根差した歴史や顧客基盤といった「資産」を土台にしながら、後継者が新たな視点やアイデアを掛け合わせ、事業をアップデートしていく営みである。それはゼロから立ち上げる起業とは異なる、前向きで創造的なプロセスと言える。
実際に『relay』を通じて事業を引き継いだ後継者の多くが、新商品の開発や販路開拓、組織体制の見直しなどに挑戦し、事業を次へと繋いでいる。同社はこのように、事業承継を起点に地域に新たな挑戦や人の流れが生まれ、経済が循環していく「relay インフィニティモデル」の社会実装を目指している。

地域の大切な事業、そしてそこに込められた想いを未来へどう残していくか。『relay』が切り拓く「あたらしい起業のかたち」は、日本全国の地域社会に希望の光を灯し、持続可能な未来をつくるための重要なインフラとなっていきそうだ。