「出身地と出身者をつなげる」をコンセプトに2020年1月に設立した株式会社ライトライトは、初の自社サービスとして地域の事業承継を促進するためのプラットフォーム「relay(リレイ)」のティザーサイトのリリースをした。

事業者の想いも伝えるマッチングプラットフォーム

「relay(リレイ)」は、継業をもっと身近にするマッチングプラットフォーム。後継者を探している中小企業と事業を引き継ぎたい継業希望者をweb上でマッチングする。事業承継に関するマッチングサービスはこれまでにも存在したが、従来のマッチングサイトと異なり、同サービスはメディア機能を軸に展開する。どんな想いで企業や店舗を運営してきたか、オーナーの横顔を含めた想いを記事化して伝えていくという。

不動産サイトを東京R不動産が、求人サイトを日本仕事百貨がメディア化したように、事業承継のマッチングサービスをメディア化するアプローチだ。長年取り組んできた事業を承継するとなれば、渡す側も受け取る側も半端な気持ちでは難しい。BSやPLにはのってこない、想いや歴史、物語をコンテンツで伝えられたら、文脈も含めて事業を受け継いでもらいやすくなるのではないだろうか。

relayは、まず宮崎からスタートし、将来的に全国へ広げていく。第一号案件として、サイト開設に先駆け、ティザーサイトリリースと同時に「CORNER/コーナー」の後継者募集を開始している。CORNER/コーナー」は2008年9月より宮崎の中心市街地(一番街)に拠を構え、まちのシンボル的な役割を果たしてきた店舗。今回の後継者募集は、本格的な海外展開も見据えた中で、自社の事業展開の選択と集中のための決断だという。

事業承継は地域企業を残すことにつながる

京都市では「京都市地域企業の持続的発展の推進に関する条例」は企業規模を基準とせず地域とのつながりに着目した全国初の条例が施行された。中小企業と呼ばず、地域企業と呼ぶことになったのだ。

「企業はもはや規模が基準ではなく、自然、文化など地域に根ざして共に発展していく時代。持続可能な開発のための目標として国連が定めたSDGsにも一致する」

と京都市の門川大作市長は説明している。地域が今後も持続していくためには、地域企業の存在が欠かせない。地域に根ざし、雇用をうみ、文化や自然に配慮するような企業が必要だ。地域における事業承継は、後継者問題にとどまらず、地域企業を残していくためにも無視できない。

ライトライトの代表は、地域×クラウドファンディングのFAAVOを立ち上げ、推進してきた人物だ。地域の状況にも理解の深い彼の次の挑戦として、このテーマはピッタリだろう。relayで事業承継した事業者が、FAAVOでクラウドファンディングする。そんな未来が来ることもそう先ではないかもしれない。