HUMAIプログラム(Humanities and social sciences AI program for beginners)は、東京大学松尾・岩澤研究室の協力のもと、ZEN大学第二松尾研が運営する。人文社会領域を中心とした多様な関心を持つAI初学者の大学生・大学院生を主な対象としているが、分野横断的な観点から人文社会的な関心を持つ方であれば、所属する大学や学部・研究科を問わず応募可能だ。高校生や高等専門学校生も応募できる。参加者は、AI活用奨励金や研究奨励金の活用、コミュニティへの参加、定期的なアウトプットを通じて、AIの発展を自身の研究に積極的に取り入れる機会を得ることができる。

プログラムには3種類の奨励金カテゴリーがあり、奨励金A(100名程度、年間最大28万円相当)、奨励金B(22名程度、年間最大100万円相当)、奨励金C(3名程度、年間最大250万円相当)となっている。応募条件は、2025年4月1日時点で満30歳以下であること、何らかの教育/研究機関に所属していることなどで、応募締め切りは6月6日。最終審査は7月19日に実施され、松尾豊氏、川上量生氏、東浩紀氏、宇野毅明氏が審査員を務める。

AI時代において人文社会領域の研究がどう変化するかについて、東京大学大学院工学系研究科教授でZEN大学特別招聘教授の松尾豊氏は「AIを創造的なツールとして活用するためには、AI技術を理解し適切に活用するスキルを磨くことが大切」と述べている。

また、ゲンロン創業者でZEN大学教授の東浩紀氏は「AIの時代がやってきました。AIは文系分野にも破壊的なインパクトをもたらす可能性があります」としながらも、「これからは、人文学とは何か、人間とは何か、人間にしかできないこととは何かが、より本質的に試される時代が来るということ」と指摘し、AIと人文知の関係性の再構築に期待を示している。

プログラム募集開始を記念し、4月19日には「AIと人文知は共存できるか──HUMAIから生まれる次世代の研究者」と題したZEN大学とゲンロンの共同講座が開催される。松尾氏、東氏に加え、ドワンゴの川上量生顧問が登壇し、AIを活用した人文社会領域の研究の未来像について議論する予定だ。詳細および応募方法は、ZEN大学の公式ウェブサイトにて確認できる。