2023年6月30日、at FOREST株式会社が能勢妙見山にて、循環葬®︎「RETURN TO NATURE」の運営を開始する。同社は、同年4月18日よりサービスの予約受付をスタートしていた。
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循環葬®︎は、日本全国の寺院所有の森を拠点に、墓標など何も残さず埋蔵するサービス。遺骨を土に還りやすく加工し、自然との循環を促す方法で埋蔵する。

墓地、埋葬に関する法律(墓埋法)」によれば、安易な土葬による伝染病などの広がりを避けるために、土葬または火葬後の遺骨を墳墓などの納骨場所に埋蔵、収蔵することについては規定されているが、遺灰を海や山に撒く自然葬は想定していない。

同サービスによって発生した売上の一部は、RETURN TO NATUREを通じて拠点となる森の保全活動に充てると共に森林保全団体に寄付するという。

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高齢社会の次には、多死社会が訪れる。RETURN TO NATUREは、死に対する向き合い方に新しい視点を投げかけるサービスだと言える。死後の眠りにおいて、家制度、ジェンダー、宗教、国籍にとらわれず、故人の墓参りの時間を森林浴のようなものにすることを目指している。

ドイツやスイスなどでは、墓地にする土地の不足や、お墓の継承者の不在といった問題を解決するために「森のお墓」という取り組みもある。森そのものを墓標とすることでいくつか解決できる問題がある。RETURN TO NATUREのアプローチから学べることは多々ありそうだ。