広告やマーケティング活動が及ぼしうる影響から子どもたちを守るために、一部の国では法律が定められ、また別の一部の国では様々な活動が行われている。

国民生活センターが公開している『子どもを取り巻く広告を』によると、スウェーデンやノルウェーでは12歳未満、カナダのケベック州では13歳未満の子どもに対するテレビ広告が法律で禁止されている。アメリカでは、子ども向け広告の事前審査を行う団体「CARU」が、12歳以下の子どもに対して子ども向け広告の自主規制ガイドラインを制作し、審査や規定をしている。

一方、日本において、子ども向けの広告やマーケティングにおいて、特に規制や法律などは定められていない。

「子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン」の更新

一般社団法人グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)および、日本を含む約120ヶ国で子どもの支援活動を行う国際NGOの公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンは、「子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン 2023年増補版」を発表した

子どもに影響のある広告およびマーケティングに関するガイドライン」とは、広告・マーケティングに関わる人々が、子どもに対する影響という観点から、活動のあり方を見直すためのガイドラインだ。

同ガイドラインは、2016年に企業の広告とマーケティングにおける子どもの権利の保護と、子どもの健やかな成長を推進することを目的に策定された。今回、近年のインターネット上の広告・マーケティングを取り巻く状況や課題を踏まえ、広告の定義を明確化し、項目を追加するなどガイドラインの調整が行われた。

また、今回の発表にあたり、2023年3月1日(水)には、GCNJとセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンより、ガイドラインの策定背景や概要などを紹介するオンラインイベントを開催する。大学や企業など各方面から有識者が登壇し、パネルディスカッションを行う予定だ。

広告やマーケティング活動だけではなく、日々の私たちの行動が、子どもたちに意図せずとも何らかの影響を及ぼす可能性がある。そのことを、私たちは覚えておかなければならない。これからを生きる子どもたちが健やかに生きるために、まずは私たちの行動を考え、見直していきたい。