2021年に厚生労働省から公表された児童養護施設等を退所した若者の実態調査では、退所前後で生活費や学費など金銭的な不安等が継続していることが伺え、退所後の5人に1人が収入より支出が上回る「赤字」の状況であると報告されている。

認定NPO法人D×P(ディーピー)が提供する「ユキサキチャット」は、13〜19歳に向けた進路・就職相談サービスだ。ユーザーはLINEを使って気軽に相談することができ、コロナ禍においては困窮状態にある15歳〜25歳までに対象者を広げ、食糧支援や現金給付を行いながら相談者の生活の安定をサポートしてきた。

今回、D×Pと連携した公益財団法人田口福寿会の運営する「夢奨学金」は、岐阜県在住で児童養護施設等に入所中または退所した方で、国内の大学等に進学される方が対象となっている。ユキサキチャットの支援を希望する人の多くは、児童養護施設出身の若者など何らかの理由で家族に経済的に頼れず、ひとり暮らしをしているという。

今回の連携により、田口福寿会より奨学金を受ける学生に在学中・卒業後に進路やお金など生活の相談ができる場としてユキサキチャットを案内し、相談先の周知と早期相談につなげる狙いだ。直近紹介した幼児食ブランドhomealとcotreeの連携のように、支援を求めている人に、適切な支援を案内するための協働が求められている。