「私が授かった長い人生は、ほぼ20世紀全体と重なります。その20世紀が舞台となったさまざまの悲劇のなかでも私が第一に留意するのは、私が生まれた時点で15億だった世界の人口が、職に就いた時には20億、そして現在は60億に達しているという事実です。人がこの地球上に現れて以来、これ以上の大規模な災厄が他の生命体に、そして災いの責を負う人類に降りかかったことはありません。この点こそ、ただひとつの真なる問題なのです。私たちの文明を脅かす諸悪の直接的、間接的原因を、個別の要因に求めてはなりません」

『百年の愚行』が発売されてから、18年の月日が流れた。人は、愚行を止められただろうか?ショッキングな写真や映像ほど少なくなったかもしれない。だが、危機的状況を脱しているとはいいがたい。「気候危機」とまで言われるようになった世界で生きる私たちは、何かをしなくてはいけない。

気候変動をビジュアルで伝える写真家たち

報道&広告写真、映像、音楽素材のライセンス販売をするGetty Images(ゲッティイメージズ)が、気候変動に関する写真に特化したプログラム「Climate Visuals(クライメイト・ビジュアルズ)」とのパートナーシップにより、「ゲッティイメージズ・クライメイト・ビジュアルズ奨励金」を発足した。

Climate Visualsのウェブサイト。

この奨励金は、気候危機に関するビジュアルによる発信を強化する目的としている。世界中のフォトジャーナリストが参加対象で、気候変動の原因や影響、その解決策にせまる「メッセージ性のあるビジュアル」を生み出そうとしている。気候変動が国や地域に与える影響と解決策をテーマに活動しているフォトジャーナリスト2名を対象に、各10,000ドル(約109万円)が付与されるという。

UNDP’s Response to Cyclone Pam - Tuvalu

奨励金の条件は、気候コミュニケーションに関するガイドライン「クライメイト・ビジュアルズ7原則」の各要素が盛り込まれていると明確にわかる作品。奨学金の応募締切は2020年2月28日(金)23時59分で、こちらから応募できる