都市部のマンションでは、同じ建物に住んでいても、隣の人の顔を知らないこともめずらしくない。都会で忙しい日々を送っていると、エレベーターで会釈するくらいの距離感が、ちょうどよく感じることもある。

けれど、災害が起きた場合などは、近所に住む人が協力し合う必要がある。いざというとき、どこに誰が住んでいるかわからない状況は、ちょっぴり不安でもある。とはいえ、今更エレベーターで会った人に声をかけるのも気がひける。

地域の特産品でマンションコミュニティを育む?

近くて遠い住民同士の距離を縮めるためには、一緒にテーブルを囲む時間が必要かもしれない。

この秋、首都圏の3ヶ所のマンション「武蔵野タワーズ」「ザ・パークハウス 上鷺宮」「W Comfort Towers」の共用スペースで、住民参加型のマルシェ「レジクラマルシェ – 岩手一関おいしい収穫祭 –」が開催される。

当日は各マンションの共用部で、岩手県一関市の旬の野菜やフルーツ、クラフトビールを楽しめるほか、住民参加型のコンテンツも用意されているという。

マルシェを主催するのは、三菱地所グループの会員組織「三菱地所のレジデンスクラブ」と、食材の生産者のオーナーに登録できるプラットフォーム「OWNERS」を展開する「ukka」。

「OWNERS」は、全国のこだわりある食材の“オーナー”に登録し、収穫後に作り手から食材を受け取れるサービス。マルシェ当日は、以下3つの食材が試食でき、その場で食材のオーナーに登録できる。都心での販路拡大を目指す、一関市の「地産外商プロジェクト」を後押しするという。

地域のファンづくりを住民がつながるきっかけに

「三菱地所のレジデンスクラブ」が全国に持つ場と、「ukka」の持つ生産者とのつながり、双方のアセットを活かした本取り組みは始まったばかり。

今後も継続的に、都市の住民と地方の生産者をつなぐコミュニケーションの場をつくり、マンションコミュニティの交流を育んでいくという。

忙しく過ごしていると、近所の人と交流したり、食材の生産者の想いに耳を傾けたり、そんな時間を省略してしまいがち。だからこそ、つい足を運びたくなってしまう入口を用意する必要があるだろう。このユニークな取り組みが全国に沢山のつながりを生み出してくれるといい。