愛するiPhone 5Sと私の関係ははっきり言ってズブズブだ。右手、あるいは洋服のポケットのどこかにiPhone 5Sがいないと不安になる。
異常だ。
わかっているけれど異常なのでやめられない。結局、iPhone 5Sにひっついて生きる私をなんとか引き剥がすのは、強靭な意志、なんかじゃなくてiPhoneそれ自体になりそうだ。

アメリカ時間の6月4日に開催されたアップルの開発者カンファレンスWWDC 2018にて、iOS 12に搭載される新機能として、「Screen Time」を発表。さらにおやすみモードと通知の配信方法をアップデートすることで、ユーザーと端末の快適な距離感を実現するデジタル・ヘルスに注力していくという。

「何に時間を費やしたのか」を可視化するScreen Time

iOS 12の新機能「Screen Time」は、各アプリケーションやウェブサイトにおけるユーザーの滞在時間を管理し、1日ごと、あるいは週ごとのアクティビティレポートとして可視化してくれる。レポートでは滞在時間の他に、アプリケーションをカテゴリに分けた際の利用状況や受信した通知の数、iPhoneやiPadを持ち上げた回数まで記載してくれるという。さらに、Cloudのファミリー共有によって、親のデバイスから子供のアクティビティレポートを閲覧することができる。これによって就寝時間や学校の授業時間などからスケジュールを組み、子供のiOSデバイスが使える時間を制限することも可能になる。

おやすみモードや通知設定をより快適に

これまでも搭載されていたおやすみモードには新しいモードが追加される。特定の時間、場所または行動に達した場合、自動的にデバイスを終了できるようになるそう。さらに、Do Not Disturb during Bedtime(ベッドタイム中のおやすみモード)をオンにすると、ディスプレイが自動で暗くなり、朝になるまでロック画面上に通知は表示され図、より質の高い睡眠を促す。

一方、通知による作業の中断を防ぐため、iOS 12では通知の配信方法をユーザーが管理できるようにするという。たとえば、小さな音で通知したり、通知を完全に無音にすることも簡単な設定によってできるという。また、カテゴリごとに通知をグループ化することで、より通知が見やすくなるそう。

一連の機能からは、より多くの人に快適にデバイスを利用してもらい、社会をデバイスでより健やかにしたいという長期的な目標に取り組む意志を感じる。WWDCにて同機能の発表を担当したクレイグ・フェデリギ氏は、「わたしたちは(突風のように通知するアプリによって)どれだけ注意散漫になっているか気づいていないのかもしれない」と述べた。

同様の取り組みとして5月にGoogleが発表した「デジタル・ウェルビーイング」が挙げられる。最新版のAndroidには、各コンテンツに対するユーザーの滞在時間・時間帯やデバイスのオン・オフの回数、タイミングを計測し、より効率的なデバイスの使い方を提案する機能が搭載される。

スマホ依存を脱却するために、スマホ自らが動いてくれるなんて、良い時代になったものだとつい感じ入ってしまう。巨大テック企業によるこうした取り組みは私たちとデジタルの関係をどう変えていくのだろうか。