固定のオフィスに縛られず、様々な場所で仕事をする人を指す「ノマドワーカー」という言葉がある。2010年ごろから日本でも使われ始めたこの言葉も、今となっては物珍しい存在ではなくなった。その背景には、ノマドワーカーを支える施設とプログラムの存在がある。

2017年7月にオープンしたホテル・コワーキングスペースの「The Millennials 京都(ザ・ミレニアルズ京都)」。UNLEASHでは以前、同ホテルのオープン時の様子を取材をしている。その「The Millennials 京都」が同年12月、リモートワークをしながら世界を旅するプログラムを企画提供するスタートアップ「Remote Year(リモートイヤー)」との提携を発表した。

デザインと利便性が追求されたつくりが印象的な「The Millennials 京都」の宿泊施設には、自由や多様性を実現するコワーキングスペース「and work」が併設されている。andworkはホテルの宿泊客だけでなく、一般客も時間単位・月契約で利用することが可能だ。

Remote Year」はリモートワークをしながら毎月新しい国・街へ旅するプログラムを企画提供するアメリカのスタートアップである。参加者の募集を始めた年、75人の定員に対し25,000人の応募があったことから瞬く間に注目を集め、急速な広がりを見せているという。

今回の「The Millennials 京都」と「Remote Year」の提携は、“ワークとライフは切り分けるものではなく、共にあるもの”という共通理念に基づいて実現に至った。

今後は「Remote Year」参加者のコワーキングスペース拠点として、世界から毎月70名程のリモートワーカーが「The Millennials 京都」に集まることになる。プログラムの参加者は「and work」を24時間いつでも利用することができるそうだ。

これにより、世界のリモートワーカーとホテルの宿泊者・コワーキングユーザーとの交流が盛んになり、「and work」に更なる多様性が生まれることが期待される。

また「The Millennials 京都」は、「Remote Year」と共同でイベントも開催していくという。12月中旬には、京都に詳しいローカルスタッフと「Remote Year」参加者が自転車で巡る、京都の穴場スポット探検が予定されている。1月には「Remote Year」参加者をスピーカーに迎えた、パネルディスカッションが開催される。

新しい働き方とされていたノマドワークの浸透率が、これを機にさらに勢いをつけそうだ。

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