株式会社SQUEEZEは、IoTを活用した宿泊特化型ファミリー向けホテル「Minn(ミン)」を大阪市内に2017年8月開業予定であることを発表した。Minnは、ミニマル(minimal)なオペレーション体制と宿泊施設を意味する「inn」、「家族みんな」で泊まれるというところから「Minn」と名付けられたという。

「Minn」が目指すのは、「暮らすような宿泊体験」そして「Second Homeのような施設」の提供だ。そのため、余計なものを置かず、全室30㎡以上と通常ホテルより広めに設計し、ライフスタイルの延長にあるキッチンやリビングなどを備える設計を行う。

ターゲットとなるのは、グループ利用・ファミリー利用の訪日外国人旅行者。これまで、SQUEEZEが提供するホテル・民泊・旅館向けサービス「mister suite (ミスタースイート)」によってこれまで培われたノウハウを詰め込んだ次世代型の宿泊施設となる。

労働力不足が叫ばれる宿泊業界において、「IoTの活用」を軸とし、徹底的に省人化された運営体制を提案していく狙い。SQUEEZEのこれまでのノウハウを活用することで、宿泊者の満足度を落とさずに、最小化された施設運営に関わる業務体制を実現する。

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従来のホテル集客では、オンライン旅行会社サイトのみでしか予約の管理ができず、集客先が限定されていなかった。Minnでは、「mister suite」のシステムを用いることによって、民泊仲介サイトとOTAサイト両方への掲載し、その予約管理を行うことが可能となる。

また、全ての予約に対してクレジットカード決済を事前に完了することで、キャンセルリスクを低減し、フロントでの宿泊料金の収受業務を削減する。スマートロックを活用することで、宿泊者のセルフチェックインを実現し、高い安全性を保ちながら、フロントでのチェックイン業務を削減することも目指す。

「mister suite」のクラウドソーシングシステムを活用することで、登録された清掃スタッフや24時間対応のオンラインオペレーターに業務が効率的に分配される。固定スタッフを最小限にすることで閑散期・繁忙期に関わらず、利益率の高い運用体制を実現することも目指すという。

様々な顧客サービスがテクノロジーによって自動化されようとしている。もちろん、従来のホテルが持っていたホスピタリティを求めて宿泊先を選ぶ人もいるだろう。だが、すべての顧客がホスピタリティを求めるわけではないはずだ。

徹底的に省人化をするように従来の顧客サービスを設計し直したとき、どのような体験が実現するのだろうか。

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