多くのNPOがデジタル活用による効率化を望む一方で、現場では「IT専任担当者の不在」「導入費用の捻出困難」「自団体だけでは分析に足るデータが蓄積できない」といった課題が立ちはだかっている。

今回、ソーシャルセクターと企業向けに寄付DXシステムを提供するコングラント株式会社が発表したロードマップは、これらの障壁を取り払い、設立間もない団体や小規模な組織でも高度なファンドレイジングを可能にすることを目的としている。

具体的に構想されているAI機能は、主に以下の3点だ。

  1. 日常業務の支援(プロジェクト作成・事務効率化) 寄付募集ページの作成において、AIが共感を呼ぶタイトルやストーリー構成のたたき台を提案。さらに、領収書作成や活動報告といった煩雑な事務作業を半自動化する。

  2. 支援者一人ひとりに最適化されたコミュニケーション 蓄積されたデータをAIが分析し、支援者ごとに適切な連絡内容や手段を提案。担当者はAIの提案を基に「意思決定」を行うだけで、よりパーソナライズされた関係構築が可能になる。

  3. 200万件の匿名データを活用した分析基盤 自団体のデータが少ない場合でも、コングラントが保有する約200万件の匿名加工データや、スマート寄付アプリ「GOJO」のユーザー情報を活用。ソーシャルセクター全体の動向を自団体の施策に活かせるようになる。

同社は、2026年から2027年にかけて段階的に機能をリリースする計画だ。

  • 2026年4月(予定): AIによる寄付プロジェクト作成サポート機能

  • 2026年10月(予定): 最適化された支援者コミュニケーションの提案機能

  • 2027年4月(予定): ソーシャルセクター全体のデータ活用基盤の完成

コングラントはこれまで、3,700以上の団体に導入され、寄付流通総額は130億円を突破している。今回のAI活用構想は、単なる効率化にとどまらず、NPOのスタッフが「データ管理」という事務的作業から解放され、支援者との「対話」や「社会課題の解決」という本来の活動に注力できる未来を見据えたものだ。