同財団は「Soil x 大学連合」プロジェクトを通じて、次世代の社会課題解決に取り組む非営利スタートアップの発掘・育成を強化する。このプロジェクトでは、大学という教育研究機関の知見とSoilのスタートアップ支援ノウハウを融合させ、より効果的な社会課題解決モデルの構築を目指すものだ。

Soilではこれまで「Soil x UTokyo」「Soil x KyotoUniversity」など様々な大学と連携し、ワークショップや助成プログラムにより社会課題解決を志す学生の挑戦を支援してきた。今回は、学生が大学の枠組みを超え、志のある仲間と出会い、学び、経験する機会を提供するため、「共助資本主義の実現に向けた大学連合」と連携する。

共助資本主義の推進

Soilが掲げる「共助資本主義」とは、利益追求だけでなく社会全体の持続可能な発展を目的とした経済システムだ。今回の大学連合との連携により、アカデミアの専門知識と実践的なスタートアップ支援を組み合わせることで、理論と実践の両面から共助資本主義の実現を推進していく。

「共助資本主義の実現に向けた大学連合」は、東京大学・上智大学を中心とする14大学が連携し、2025年2月17日に設立された組織だ。各大学の起業支援の取り組みを面として行い、地域を超えて大学や学生同士が繋がり、学び合いが起きるような取り組みを推進している。経済同友会「共助資本主義の実現委員会」が、ソーシャルセクターと連携し、社会課題を解決する共助により包摂ある社会をつくることを目指して提唱した持続的成長モデル「共助資本主義」の実現のために設立された。

今回の連携では、加盟大学に在籍する学生を対象に2日間のワークショッププログラムを提供する。このワークショップは、第一線で活躍する社会起業家の講演や、社会課題解決・ビジネスプラン策定・起業に関する講義、そして社会人メンターの伴走のもとで自身の事業を策定するものだ。

プログラムには、認定NPO法人Learning for all代表理事の李炯植氏やライフイズテック株式会社代表取締役CEOの水野雄介氏による講演、株式会社UNERI代表取締役CEOの河合将樹氏などが登壇する予定だ。開催は2025年6月28日、29日の両日、東京大学駒場キャンパスで実施される。定員は約80名で、参加費は無償。遠方からの参加者には旅費交通費が実費支給される。

継続的支援体制の構築

ワークショップ参加後、事業化に向けてより深い学びや事業アイデアのブラッシュアップを希望する参加者には、第一線で活躍する社会起業家・実践者によるメンタリングが提供される。さらに、事業化を目指し取り組みを続ける個人・チーム最大5組を対象に、「Soil 100」として100万円の活動費用と3ヶ月間のメンタリングが提供される予定だ。

メンタリングの提供期間は2025年10月から12月を予定しており、助成対象はワークショップ参加者のうち継続的に取り組む意欲のある参加者から、大学連合とSoilが共同で審査を行って選定する。

参加希望者は2025年5月13日までに専用フォームから申し込む必要がある。対象は共助資本主義の実現に向けた大学連合の加盟大学に在籍する学部学生・大学院生で、社会貢献や社会起業に興味があり、実際に活動をしたい、または活動中の学生だ。今回の社会課題の解決と共助資本主義の実現に向けたSoilと大学連合の連携は、産学官民の垣根を越えた新たな協働モデルとして注目だ。