2023年7月、住友林業株式会社の傘下で米国の森林アセットマネジメント事業会社Eastwood Forests, LLC森林ファンド「Eastwood Climate Smart Forestry Fund I」を組成し、運用を開始した。資産規模は約600億円、運用期間は15年の計画だ。

EFのAlex Finkral氏、Glenn Wallace氏は、長年森林ファンドの運営を行い、北米や中・南米で持続的な森林経営を実施。木材生産をしながら森林の価値向上や森林由来のカーボンクレジットを創出してきた実績を持つ。

同ファンドは従来の木材生産が目的の森林経営に加えて気候変動対策にも資する持続的な森林経営を行う。再植林、保全など森林の状況に応じたクレジット創出の方法論を選択し、CO2吸収・炭素固定機能を高め、カーボンクレジットを創出する。また、有望な後継樹を残して森林の植生回復を促し、様々な樹種や樹齢の木々で構成する階層構造を持った森林を形成するIFM(Improved Forest Management、森林改善による方法論)によるクレジット創出も検討しているという。

同ファンドに参画するのはENEOS株式会社、大阪ガス株式会社、東京センチュリー株式会社、日本郵政株式会社、日本郵船株式会社、芙蓉総合リース株式会社、 株式会社三井住友銀行、三井住友信託銀行株式会社、ユニ・チャーム株式会社と住友林業グループの日本企業10社。

参画企業たちは、同ファンドを通じて森林のCO2吸収能力を高め、年平均約100万トンのCO2吸収を新たに生み出し、質の高いカーボンクレジットの創出・還元で脱炭素社会の実現への貢献を目指す。同時に、生物多様性の維持や水資源の保全といった自然資本としての森林の価値を高めることも視野に入れているという。