株式会社ヘラルボニーは「異彩を、 放て。」をミッションに掲げる、福祉実験カンパニー。様々な社会実装を通じて「障害」のイメージ変容と、福祉を起点とした新たな文化の創造を目指している。

同社は、国内外の主に知的な障害のある福祉施設、作家と契約を結び、2,000点を超える高解像度アートデータの著作権管理を軸とするライセンスビジネスを、作品をプロダクトに落とし込むアートライフスタイルブランド「HERALBONY」の運営、建設現場の仮囲いに作品を転用する「全日本仮囲いアートミュージアム」など、福祉領域の拡張を見据えた多様な事業を展開している。

2023年7月24日、ヘラルボニーは創業から5周年を迎えた。6期目を迎えた同社に、さらなる経営体制の強化のため、株式会社ユーグレナCEOの永田暁彦氏が経営顧問として参画した。

永田暁彦氏

永田暁彦氏。株式会社ユーグレナ 取締役 代表執行役員 CEO、リアルテックファンド 代表。慶應義塾大学商学部卒業後、独立系プライベート・エクイティファンドに入社。2008年に創業3年目のユーグレナ社に取締役として参画。財務戦略及びIPO体制構築を担い2012年のIPOを実現。IPO後は経営戦略、財務戦略、M&Aに加え、ヘルスケア、エネルギーなどの各事業責任者を歴任し、現在はCEOとして全事業執行の責任者を務める。また、2015年には日本最大規模のディープテック特化型ファンド「リアルテックファンド」を設立し、現在も代表としてファンド運営全般を統括している。

永田氏は、経営顧問就任に合わせて以下のようにコメントしている。

永田氏:幼いころから、福祉の世界で働く両親の背を見ていました。そして、どうして障害を持つ人は社会からこうも隠されているのだろうと思っていました。それと同時に社会の中で必要なはずの仕事に就いている両親の生活がなぜ苦しいのだろうと思っていました。

ヘラルボニー創業者である松田兄弟に出会い、ヘラルボニーがミッションに掲げる「異彩を、放て。」は、知的障害という特徴を個性として世に放つためだけのキーワードではなく、すべての人が当たり前に生きていく世界を目指すためのものだと確信しました。いろいろな人が大小様々な課題を抱えて生きている。助けが必要な障害を持つ人はどの家庭にも生まれうる。それを支えている家族や社会の人々がいる。すべての人が、当たり前に豊かな人生を送れる世界のために、私の経験を少しでも多くヘラルボニーの経営に役立ててまいります。

ヘラルボニーは同氏の経営参画を機に、さらなる福祉領域の拡張のため「福祉実験ユニット」から「福祉実験カンパニー」へと、自社の呼び方を変え、より強固な組織へと進化していく意志を明らかにしている。

今回の発表に合わせ、ヘラルボニーは永田氏の両親とヘラルボニー創業者の松田崇弥・文登氏の家族から託された「手紙」を公開している。プレスリリースに合わせて、どのような想いを受け取って経営しているかを発表する姿勢は、同社が大切にしていきたいことを象徴しているようにも感じられる。