デザイン性の優れた防災グッズを集めたカタログギフトサービス「LIFEGIFT」や、防災グッズのECサイトの運営、防災に関する研修など、様々な角度からのアプローチによって、防災意識を高める取り組みを行ってきた株式会社KOKUAが、パーソナル防災サービス「pasobo(パソボ)」の提供を開始した。
株式会社KOKUAは、東日本大震災など、全国各地の被災地ボランティアに携わってきたメンバーで運営されており、これまでも防災が身近になるためのサービスを提供してきた。そんな同社が新たにリリースしたpasoboは、自分に必要な防災対策を知ることができるサービスだ。
同サービスを使って、家族構成や立地、建物の耐震基準・階数、個人の災害に関する価値観といった質問にwebページ上で回答すると、自分にとって優先度の高い対策の情報や、災害時に気をつけるべき内容がわかる。また、住所に基づいて、ハザードマップや避難所の情報も提示される。さらに、個別最適化された防災グッズが提案され、サイト上で購入できる仕組みとなっている。
パーソナライズされた防災対策の必要性
同サービスの背景にあるのは、日本人の防災意識の低さだ。2022年にセコム株式会社がおこなった「防災に関する意識調査」によると、具体的な防災対策をしている人は約5割で、半数近くの人は何も対策できていない状況にある。多くの人が、具体的な対策がわからない、あるいは対策することを面倒に感じているという。
また、これまでの取り組みを通し、KOKUAは防災に対する行動を変えるためには、パーソナライズされた防災対策を行うことの重要性を認識したそうだ。防災対策を行う際、自分にあった防災対策がわからず、網羅的にグッズが揃っている防災セットを購入することが多いが、実際には自分には不必要なものや、本当に必要なものが揃っていないケースも発生しているという。
そこで今回、実際の被災者やボランティア経験者、防災や災害の専門家からの意見をヒアリングしながら、pasoboが開発された。同サービスを使えば、パーソナライズされた災害対策を知るところから、自分に合った防災グッズを購入するところまでをサイト上で完結することができる。
「自分は大丈夫」とつい考えてしまいがちだが、災害はいつどこで発生するかわからない。pasoboをきっかけに、自分に最適な防災対策を行う人が増えることに期待したい。