WeWALKは視覚障害者向けのモビリティ向上をミッションに掲げ、従来の白杖に代わりナビゲーションアプリを搭載した「WeWALK」スマートステッキを開発するトルコ発のスタートアップ。今回、ステッキのさらなる開発のために、2百万ポンドの資金調達を実施した。

同社はインペリアル・カレッジ・ロンドンおよび王立盲人協会(RNIB)と連携しており、今回の投資を活用してステッキの「コンピュータービジョン」機能を開発する計画だ。この機能により、使用者は自分の目の前にあるものに対し、より多くの情報を得ることができるようになるという。

この技術の目的は、多岐にわたるスマートシティ技術と統合できる高度なモビリティツールを作り上げることだと、WeWalkは述べている。例えば、道路標識を読みとり、乗りたいバスの番号を案内し、行く先にどんなものがあるかを使用者に知らせることに加え、顔認証技術により、自分の知り合いが近づいてくることがわかる、などの体験を可能にすることを目指す。

2019年に初めて発売した同社のステッキは、障害物を検知し振動することで使用者に回避を促したり、電車やバスの時刻、最寄りのレストラン情報などを知らせることで、視覚障害者の公共空間での移動を支援するもの。このステッキは、TIME誌による2019年の「best invention」にも選出されており、現在59か国以上で数千人に使われているという。

WeWALKは、マイクロソフトとも継続的なパートナーシップを結び、ソフトウェアのAI機能の向上を支援しています。WeWALK社の共同創業者件CEOのギョクハン・メルチルレル(Gokhan Mericliler)氏は、今回の資金調達に合わせて、以下のようにコメントしている。

「WeWALKの製品は、これまでも世界中の視覚障害者の移動を改善し生活を変化させてきましたが、まだまだやるべきことはたくさんあります。我々は、世界中のさらに多くの人々に届くよう事業を拡大し、視覚障害者や高齢者、移動に困難を抱える全ての人々に、より良い、より有意義な情報提供ができるよう技術を進化させていきたいと考えています。今回の支援により、我々の開発段階は一つ先に進み、何百万人もの人々の移動手段を変えることができるようになるでしょう」

WeWALKが開発するステッキの技術は、将来的に高齢者のための移動補助や、認知症の方の安全確保を目的としたナビゲーション技術など、より広い分野での応用も計画しているという。