一般社団法人Code for Japanは、DX人材の育成を目的とした共創リーダーシッププログラム「Co-DX for Japan」をスタートした。Code for Japanは、行政機関などに対する研修・セミナーの実施や、シビックテックと呼ばれる市民活動を推進するコミュニティの運営を行っている団体だ。

Co-DX for Japanは、行政や企業からの人材をCode for Japanが出向者として受け入れ、半年から1年程度の期間の中で、新規事業創出にチャレンジする機会を提供するプログラムだ。行政からの出向者は民間の視点を、大きな組織からの出向者はNPOやスタートアップなどの小さなチームにおけるアジャイルの進め方を知ることができ、それぞれの組織の枠組みでは経験できない協業形態や過程に携わることができる。

出向期間が終わった後にはそれぞれの組織に戻り、DX人材として活躍することが期待され、組織にとってアップデートの機会となりうる。

Code for Japanは2013年に発足し、市民がITの力で主体的に社会課題解決を行う「シビックテック」の取り組みを普及させる活動を行ってきた。その活動の一つが、「フェローシッププログラム」という取り組みだ。フェローシッププログラムにおいては、期間限定で雇用されたITエンジニアが政府や自治体に派遣される。派遣されたエンジニアたちは、政府や自治体のスタッフから課題や問題点をヒアリングし、ウェブサイトやアプリを開発してきた。

フェローシッププログラムは、民間人材を外部から派遣することによって行政を中から変革するものだった。一方で、今回のCo-DX for Japanのプログラムは、行政及び企業からの人材をCode for Japanが出向者として受け入れ、それぞれの現場でDX推進を担えるような人材を育成することとなっている。外部人材が推進を担うのではなく、内部の人材を育成していくことで、より持続的にDXを推進していくことが可能になると期待される。

社会全体としてDXを推進していくためには、縦割りの体制で各々の組織がDXに取り組むのではなく、地域や組織の垣根を越え、知識や経験を共有していくことが重要になる。Co-DX for Japanの取り組みが、そうした協働を促すものになることに期待したい。