住友商事は、二酸化炭素(CO2)の鉱物化サービスを提供する英国のProtostar Group Limitedと資本業務提携を行った。Protostar Group Limitedは、2020年に設立されたCO2を鉱物化する技術を保有しているスタートアップ。中東のオマーンやアラブ首長国連邦で事業に取り組んでおり、世界の著名な脱炭素ファンドや投資家などからも出資を受けている。

同社が展開する「44.01」というブランドの名称は、CO2の分子量に由来する。44.01は、世界で唯一、地球内部を構成する岩石である「かんらん岩」を利用したCO2鉱物化に取り組んでいるという。44.01には、CO2鉱物化に関して世界的に著名な研究者が所属しており、CO2鉱物化に最適な圧入条件・方法を確立している点に強みを持つ。カーボンリサイクルの方法はいくつかあるが、CO2鉱物化はCO2を鉱物として地下に恒久的に固定できるため、永続性・安定性などの観点から注目されている。

44.01は、大気中のCO2を直接回収するDirect Air Capture事業者やCO2排出企業などに対してCO2の鉱物化をサービスとして提供し、CO2回収から鉱物化までを自社で一気通貫に行うことも計画している。すでに、小規模な実地での実証に成功しており、今後、追加実証や現在検討を進めている各プロジェクトの実施を通じて、将来の大規模商業化の可能性について検証していく方針だ。

住友商事のリリースによれば、中東、米国、欧州、日本などでは、かんらん岩が地表近くに存在していることが確認されており、CO2鉱物化の適地が広く分布しているという。44.01は、2040年までに10億トンのCO2を鉱物化するという目標を掲げ、オマーンを皮切りに世界中での事業展開を目指す。