一般財団法人社会変革推進財団(以下、SIIF)は、インパクトの創出を意図する企業がIPOを実現すること (以下、「インパクトIPO」)の実態を調査し、IPOを目指すインパクト企業に向けた実務的示唆と日本におけるインパクトIPO発展のための展望を示した「インパクトIPO実現・普及に向けた基礎調査」を発行した

インパクトIPOとは、ポジティブなインパクトの創出を意図している企業が、インパクトの測定およびそのマネジメント(Impact Measurement & Management)を適切に実施していることを示しながらIPOを実現すること。さらにIPOに際して、インパクトの追求とIMMを継続的に実施できるよう、当該企業を取り巻くステイクホルダーに対して、インパクトおよびIMMの状況を説明し、インパクト志向の資金提供者からの資金調達をめざすことで、企業価値の向上を図ることを指す。

同調査報告書では、米国や欧州を中心に増加傾向にあるインパクト企業の上場の参考事例やインパクト投資の先行事例の掲載に加え、IPOを実現したインパクト企業5社と、上場株式のインパクト投資に取り組む金融機関全12社(海外6社、国内6社)への直接取材からあぶりだしたIPOを目指すインパクト企業に対する示唆や、日本においてインパクトIPOを実現するためのエコシステムに対する示唆をまとめている。

SIIFは、今年8月に発行した「インパクト企業の上場 コンセプトペーパー」の発行に続き、インパクトIPOの調査・研究、国内事例の創出、また今回の調査を踏まえたフレームワーク策定等、日本国内で必要となる仕組みの検討と推進を行っていく方針だという。