一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は、社会や環境における課題の解決を図りながら経済的な利益を目指す「インパクト投資」の認知度・関心度における2022年度調査結果を公開した

SIIFは日本財団から助成を受け、社会課題の解決と多様な価値創造が自律的・持続的に起こる社会を目指し、自助・公助・共助の枠組みを超えた社会的・経済的資源循環のエコシステムの実現を目指して活動している団体だ。ソーシャル・インパクト・ボンドをはじめとするインパクト投資のモデル開発や実践、普及のための環境整備、調査研究・政策提言に取り組んでいる。同団体がインパクト投資に関する消費者向けの調査を日本で初めて実施したのは2019年。今回で4回目の実施となる。

2022年度の調査結果では、インパクト投資の認知度は全体の7.1%。前年度の調査の6.6%から0.5ポイント増加し、初めて7%台を超えた。投資経験のある20代、30代の層におけるインパクト投資の認知度が高く、特に20代男性においては、約3割の認知度があったと述べている。

投資意欲を測るインパクト投資の関心度においては、昨年度から0.5ポイント増加し、全体の17.7%となった。インパクト投資に関心ある人が「投じてもよい」と考える投資金額については、「50万円以上」がり約3割となり、例年通の結果となった。インパクト投資に関心のある層において、関心度の高いテーマは再生可能エネルギー、環境、医療、介護となっていた。

今回の調査で新たな設問となったのは、「インパクト投資を行うことに関心があるのはなぜか?」というもの。この設問に対しては、「インパクト投資を通じて社会課題の解決に貢献できそうだから」(8.7%)の選択肢に一定割合の回答があった。また、「投資リターンが期待できそうだから」という選択肢には20代、30代の肯定的な回答の割合が約20%と最も高くなっており、インパクト投資が経済的なリターンも同時に追求するものであると若年層にも認識され始めているとSIIFは捉えているという。

インパクト投資に関するニュースが紙面を賑わせることも増えてきた。社会科愛の解決と同時に、経済的なリターンも追求するインパクト投資が、人々の認知と共に伸びていくと、社会課題の解決も加速していくはずだ。