2017年2月、電子出版のプラットフォームMedium上で小さく始まった『UNLEASH』は、2018年12月にCIとウェブサイトを作成して正式にスタートしました。

4年弱の運営期間を経て、このたび2021年10月にリニューアルした企業ロゴとメディアロゴとを統合し、『inquire』として再起動することになりました。

誰しもが創造性を秘めており、その創造性をひらくことで、自由に生きる力を養うと同時に、しなやかな社会の実現、よりよい未来の創出につなげたい。そんな想いを込めて『UNLEASH』は創刊しました。

これまでも人の創造性、可能性を発揮するために、その全体性に触れたいとの考えから、特定の領域に絞るのではなく、ホリスティック(=全体的、統合的)な発信を実行するべく、カバーしたいテーマにバウンダリー(=境界、限界)を設けず、また届けるための表現手段も固定しない、リキッド(=液状化)な姿勢を積極的に選択してきました。

実際に液状化が進行し、不確実性が高まっている現代社会において、無理に固定化するのではなく、積極的に自らを液状化するのは必要なことだと考えます。絶えず変化するためは、絶え間ない実践、内省、学習が欠かせません。そして、その重要性はさらに高まっています。

UNLEASHが正式にリリースしてからのわずか4年弱の期間に、社会も大きく変化し、また私たちも変化しました。固定化し、不変になってしまう領域を可能な限り少なくし、自分たちが変容する可能性を大きく持つ。核を持ちながら流れに適応し続けることは、メディアの生存戦略とも言えるかもしれません。

inquireでは、こうしたコンテンツ・パブリッシャーとしての姿勢を整理し、さまざまなコミュニティを横断して、未来をつくるためのリソース(=資源)を調査、収集して、アーカイブしていく活動と位置づけます。リソースとなるのは、技法や知識、道具、物語などさまざま。ビジネス、テクノロジー、エコロジー、カルチャー、デザイン、ライフスタイルなど、領域は定めず、未来に必要なリソースを探究していきます。

アーカイブをいかに活かすか、流通させるかも考えていきますが、いずれにせよメディアの土台となるのはアーカイブです。デジタルを活かしながら、未来を探究しようとするコミュニティのアーカイブをつくり、未来に生まれる人たちにとって必要な資源として残していきたい。そう考えています。

もちろん、そのためにはこれまで以上に事業化や組織化のための取り組みも必要不可欠です。これまでインディペンデントにメディアを運営し、経済的に成立させるために試行錯誤した結果、更新が不定期になってしまったこともあり、力不足を痛感するところです。

改めて、メディアとしての役割を位置づけ直し、コミュニティのアーカイブーカイブをつくり、アーカイブからオーディエンスに合わせてストーリーを編集して届け、コンテンツを媒介に変容を生み出せるよう、事業の生態系を育んでいくことを目指します。仕事、生活、教育、文化など、生み出されるビジネスの領域や形式は、一見すると別々のように映るかもしれません。一つひとつ、共通する価値観を持って編み出していきます。

例えば、コンテンツスタジオのように企業のステークホルダーとのコミュニケーションやカルチャー構築、ナレッジマネジメント等の支援を手掛けてきた「inquire Studio」は、これらの事業生態系のひとつとして位置づけられます。inquireが育つと同時に、inquire Studioの価値も高まっていくように、それぞれの挑戦を進めていきます。

「inquire」というプラットフォームは、オーディエンスやパートナー、クライアントと共にコーポラティブに運営していきたいと考えています。近々、その取組の一環として、メンバーシッププログラム「inquire Collective」を始める予定です。関心のある方は、ぜひこちらからご応募ください

会社の名称と同じである「inquire」と名前を変えてメディアを運営することになりましたが、根底にある考えは変わっていません。人の創造性や可能性を「解放」するために、『探究、自由、未来』を核として捉え、未来に向けての活動を継続していきます。