マザーハウスは「途上国から世界に通用するブランドをつくる」という理念のもと、バッグ・ジュエリー・アパレルなどの製造販売を行ってきた。そのマザーハウスが2021年2月5日、「食」のブランド「Little MOTHERHOUSE」を発表した。

第一弾は、インドネシア・スラウェシ島のカカオを使ったチョコレート。2011年に京都に設立したクラフトチョコレートメーカー「Dari K」とのコラボレーションによって生まれた。Dari Kは、インドネシア・スラウェシ島最高品質のカカオ豆を自社で調達するだけでなく、農園に発酵技術の提供も行っているという。

さらには、Dari Kは、カカオ以外の様々な果物の木を植え、多様な生態系を守り、また気候変動に対するリスクヘッジも行っている。持続可能な方法として現地の人々の生活向上や環境保全にもつながる活動もしている。

こうした環境で作られたチョコレートは二種類。インドネシアの生カカオと世界最大級のサイズを誇るカシューナッツを使ったチョコレート「インドネシアオリジンズ」と、インドネシアのカカオを独自の配合でホワイトチョコレートを作り、自然由来の色や味で表現しグラデーションにした、「イロドリチョコレート」だ。

企業にとって、パーパスの重要度が上がっている。パーパスに向かうために、自分たちのアイデンティティを問い直しながら、必要なアクションをとっていかなければならない。その観点からみると、今回のマザーハウスの動きは、自分たちのパーパスに向かって、アイデンティティを刷新した事例とも言える。