対話を生むためのメディアのあり方

「ニュースは、人をストレスと心配と偏見で満たし、皮肉屋で疑い深く、何より無知に変えてしまう」

オランダの新興メディア『De Correspondent』の編集長、Rob Wijnberg氏の言葉です。

たしかに、私たちは彼の指摘する変化の過渡期にいるのかもしれません。テレビやラジオ、SNSを介し、私たちは膨大な情報に触れています。そのなかで、ウェブメディアが人々のアテンションを獲得し、収益を上げるためには、センセーショナルで対立を煽る情報がもっとも手っ取り早い。人々の不安や怒りをあおり、真偽の確かではない情報を発信するメディアも少なくありません。

さらに、SNSのタイムラインでは、アルゴリズムによって見たい情報だけが選別され、それ以外の情報からは気づかないうちに遮断されてしまいます。不安や怒りといったネガティブな感情で人々が結びつき、ますます分断が進むという負のサイクルが続いています。

しかし、こうした現状を変えようとする心強い動きも生まれています。冒頭のWijnberg氏率いる『De Correspondent』は、広告をなくし、ひとつのテーマを多角的に掘り下げるニュースのあり方を模索、6万人の有料購読者を獲得しています。また、最近では、BBCの元記者がスロージャーナリズムを実践する『Tortoise』を立ち上げ、目標額を上回る寄付を集めています。

わたしは、インターネットで情報を発信する仕事をする人間として、彼らと同じように、分断をつなぐメディアのあり方を探求してみたいと考えています。そのために、この夏オランダを拠点に、ヨーロッパのメディアの事例を取材し、UNLEASHで発信する予定です。

先日には、渡航費や滞在費をつのるクラウドファンディングを始動し、沢山の暖かい支援をいただきました。近しい課題意識をもつ人が多くいることを嬉しく思うと同時に、ぜひ同じ課題意識を抱える人と疑問やアイディアを共有してみたいと思うようになりました。

そこで、今回はオランダで取材する予定のメディアについて紹介し、みなさんと一緒に、分断を越え、対話を生むメディアのあり方についてお話しする場を設けたいと考えています。いつものイベントよりも少人数かつクローズドな会にする予定です。ぜひ、気軽にお越しください。

登壇者プロフィール

向晴香
UNLEASHエディター
inquire所属の編集者・ライター。関心領域はメディアビジネスとジャーナリズム。ソフトウェアの翻訳アルバイトを経て、テクノロジーやソーシャルビジネスに関するメディアに携わる。教育系ベンチャーでオウンドメディア施策を担当した後、独立。趣味はTBSラジオとハロプロ

Twitter:https://twitter.com/m___hal

イベント概要

開催日程

2019年4月23日(火)19:30-21:30

開催場所

inquireオフィス(東京都目黒区大橋1-7-4 久保ビル502

参加費

無料

定員

10名

チケット購入

URL:https://unleash-event05.peatix.com/