「iOS 12」からiPhoneやiPadで「スクリーンタイム」機能が利用可能になった。

スクリーンタイム機能は、iPhoneやiPadなどの画面を見ている時間を統計データで示す。どのアプリをどのくらいの時間見ているのかを示したうえで、制限をかけることが可能だ。筆者の平均のスクリーンタイムは、一日9時間半。睡眠時間よりも画面を見ている時間のほうが長い。

Googleも「Digital Wellbeing」というアプリを提供している。「スクリーンタイム」と同様にスマホを触っている時間を可視化しれくれるアプリだ。AppleもGoogleも、デジタル時代におけるウェルビーイングに注力し始めている。

スクリーンタイムに対する配慮は、大人にとって必要なのは言うまでもなく、幼い頃からデバイスを見ることも珍しくなくなってきた子どもにとっても重要になる。

子どものスクリーンタイムを制限する「Circle」

Circle」は米国のスタートアップが提供する子ども向けのスクリーンタイム制限サービスは、子どものスクリーンタイムを健全にするのに一役買ってくれそうだ。

AppleやGoogleのスクリーンタイム管理機能でも、親が子どもにiPhoneやiPad、Android端末を持たせる場合に、ゲームアプリで遊ぶ時間を制限はできる。だが、Circleのアプローチは、こうしたスクリーンタイムの制限とは異なる。

Circleは、家庭のWi-Fiルーターと接続させることでネットワークから子どもが利用するデバイスのスクリーンタイムを制限できるようになるという。Appleのスクリーンタイムが機能しないわけではないが、使用がiOSとMac OSに制限される。どのデバイスでも活用可能な、ネットワーク型のスクリーンタイム管理サービスで、簡単に利用できるものは少ない。

スクリーンタイムに備わっている利用アプリの時間計測、利用時間の制限などの機能が使えるようになっているが、注目したいのは「Reward」機能だ。例えば、宿題がすべて終わった後など、報奨としてアプリの制限時間が少し解除できる。とにかく、利用を制限するわけでもない。

Circleは2019年2月に、2000万ドルの資金調達を実施。Circleのようなサービスが成長すると、管理する側は子どもの健全なデジタル利用を実現しやすくなるだろう。

パターナリスティックに制約を課すのを良しとするわけではないが、デジタルツールには「ナッジ」の悪用が見られるケースもあり、大人でも一筋縄ではいかない。ある程度の自制心が育つまで、一定の利用制限を課すことも必要だと考えるのは過保護な考えだろうか。