昔、シェアハウスに暮らしていた。20代のうち、数年をシェアハウスで暮らす中で得た経験やつながりは、かけがえのない資産となっている。
シェアハウスで暮らしていたとき、家に必要な高額のものを購入するための資金や退去するときに備えて修繕費を住人たちでお金を出し合って積み立てたりしていた。
アナログな貯金箱にお金を入れていくというのは、思い返しても嫌いではなかったけれど、もう少し良い方法があったかもしれない。
新しく耳に入ったニュースは、共同して暮らしたり、行動する上で必要なお金の管理に光明をもたらすものだった。
コミュニティウォレット「Gojo」が、CAMPFIREに事業譲受
“資金調達の民主化” をミッションに、クラウドファンディングプラットフォームなどを運営する株式会社CAMPFIREは、株式会社BrainCatよりコミュニティウォレット「Gojo」の事業を譲受されたことを発表した。
「Gojo」は、同じ想いを持つ人たちが集まるコミュニティにおける相互扶助をより円滑に行えるようお金・情報を共同で管理できる”コミュニティウォレット”だ。お祭りの青年会、フリーランスが協業するためのオンラインスペース、シェアハウスの共益費を管理など、様々な団体・コミュニティで使用されてきたという。
Gojoは、積立金を引き出したいメンバーの申請に対して、例えば過半数の承認が必要などといった設定が可能となっており、可視化される。コミュニティ内でのお金の流れをオープンにすることもできるし、その用途に関して民主的に決定することも可能だ。この展からも、“資金調達の民主化” を掲げるCAMPFIREとは非常に相性がいいと言える。
CAMPFIRE代表取締役の家入一真氏は今回の事業譲渡に関して、さらに一歩会社が描く社会像に近づくことに対する期待をツイートしている。
フィンテックとは、テクノロジーによる新しい金融包摂の形、従来の金融にアクセスできない・こぼれ落ちる方のための仕組みであるべきだと信じています。そう言った意味で、個人間で互助会・保険のような仕組みを作ることができるGojoが仲間に入ったことはとても大きい。https://t.co/8U4F0vhrDG
— 家入 一真 (@hbkr) January 10, 2019
CAMPFIREは、個人や地域レベルで小さなつながりを持ち、支え合うコミュニティを「小さな経済圏」と称し、個人やクリエイターを中心に様々な挑戦を支援してきた。「Gojo」の理念である「人民間の助け合いをベースにした金融システムの構築」と共感した同社は、事業を譲渡。今回の事業譲受によって「Gojo」単体で2022年度中に流通金額累計100億円到達を目指すという。
コミュニティという仕組みを進化させるためのツール
小さなコミュニティがあちこちに生まれる時代になった。民間でも公共でもカバーできない間を拾っていくための役割が期待されている。近年では、コワーキングスペースやシェアハウスなど、新しく人が集うコミュニティも生まれてきている。きっと、これからもっと増えるだろう。
コミュニティだけではなく、GojoやKOUのようにコミュニティにおける経済の仕組みを支援するサービスも増えてきた。自分たちの暮らしを良くするために生まれたコミュニティを、さらによい仕組みへと進化させてくれるツールが増える。そうしたら、きっとコミュニティから生まれる素敵な体験も増えるはずだ。