知人が来年から海外を旅しながら1年間生活すると言っていた。もちろん、会社の仕事は続けながら。

「どこの国を回るの?」と聞いたら、「WeWorkのある都市を中心に巡ろうと思うんだ」という。

WeWorkに在籍している知人は、WeWorkのある都市に行けば働く上でのインフラに困ることはない。

「そうか、そういう旅しながらの働き方もあるのか」と考えさせられた。

旅をするように働く

旅行先のリゾート地などで休暇を兼ねて仕事をする「ワーケーション」という考え方が生まれたり、出張ついでに休暇を楽しむ「ブリージャー」というスタイルも登場している。

「そこまでして仕事をするのか?」という人もいるかもしれないが、生活と仕事の境が曖昧になり,仕事が苦じゃないという人も増えているということなのかもな、と感じる。

新たなスタイルが登場してくると、そのニーズに応えるようにサービスも登場してくる。日本でも、新しいサービスが生まれるようだ。

空き家問題の解決等の地域創生に取組む株式会社Little Japanは、宿を訪れる人々がもっと気軽に旅をして自由に多拠点暮らしができるようにと「Hostel Life」というサービスを2018年11月にリリースする

Hostel Lifeは、月1.5万円〜という価格帯で料金を支払うことで、「ホステルパス」というメンバーカードを持ち、サービスに登録している全国のホステルに泊まり放題になるという、ホステルのサブスクリプションサービスだ。

ホステルパスは、「平日だけ使いたい」「1ヶ月だけ使いたい」など、自分の利用シーンに合わせて選ぶことができるという。

人の流動性が高まることが、働き方や暮らし方の柔軟さにつながる

株式会社Little Japan代表取締役の柚木氏は、農林水産省で国家公務員として勤務をしながら、東日本大震災をきっかけに様々なNPOにボランティアとして関わるようになったという。現在は、全国をまわり、数多くの地域と関わりながら業務を行っているそうだ。

パブリック、ソーシャル、ビジネスという異なる顔での活動を展開していることも、Hostel Lifeの発想に一役買っている。彼は、同サービスを提供することで、パラレルキャリア(副業・兼業)の推進や地域創生等の担い手の増加、二拠点居住を推進することでの関係人口の増加、空き家活用・担い手不足の解消などを目指しているという。

Hostel Lifeは、各地のホステルと提携する他、株式会社 CARAVAN JAPANが提供しているCo-living型シェアハウスとも連携するという。ユーザーは提携シェアハウスに住むことができるため、短期滞在だけではなくもう少し長期での滞在も視野に入れることができそうだ。

住むことと、宿泊すること。この2つの境目はもはや曖昧になりつつある。今後、この流れはさらに加速していくはずだ。そうなれば、サブスクリプション型で自分にあった滞在先を選ぶことができるHostel Lifeのニーズは今後高まっていくと考えられる。

積極的に活動しているほど、一つの仕事、一つの地域という働き方(暮らし方でもある)に収まらなくなってきている。いずれは、一つに集約されるのかもしれないが、少なくとも現時点では、より自由に、より多面的なスタイルを選ぼうとする動きが見られる。

現在、Hostel Lifeはクラウドファンディングで資金を集めている。人が自由に生きようとする時代に、Hostel Lifeはどのような影響をもたらすのだろうか。リリース後の反響が楽しみだ。