日本を訪れる観光客の数は右肩上がりで成長を続けている。

インバウンド施策に力を入れるプレイヤーも増え、経済的にも注目だ。

一方で、日本は地震や台風など災害も多い。ここ最近だけでも、関西の台風被害や北海道の地震被害があった。

今回の北海道胆振東部地震では、北海道内の宿泊予約キャンセルが延べ94万人超で、観光産業への影響額が約292億円に上るとの集計が発表されている。

日本人でも混乱してしまうような災害が起きた際、海外から日本を訪れている観光客は一体どうしたらいいのだろうか。

人工知能のコンシェルジュが災害時にサポート

株式会社ビースポークが開発する訪日外国人向けAIチャットコンシェルジュ「Bebot(ビーボット)」に、災害時サポート機能が追加された。サポート機能の内容は、緊急速報の発信、災害発生時に取るべき行動・避難場所を発信、非常事態発生時にとるべき行動を平時から啓蒙などだ。

「Bebot」は、宿泊施設や商業施設のスタッフに代わり、AIを使い、英語や中国語で24時間365日各種問い合わせに対応する。ユーザーは、自身のスマートフォンのブラウザ画面を通じて「Bebot」を利用することができ、導入施設は、現場の負担を軽減するだけでなく、「Bebot」チャット内で利用者に口コミ投稿を依頼することもできる。

現在、JR東京駅、成田国際空港、ホテルニューオータニ、ソフィテルホテル、ホリデイ・イン、グランベルホテルなど、交通の要所やホテルなどに導入されており、1日3万5千人の訪日外国人が「Bebot」を利用しているという。

「Bebot」を利用する外国人旅行者からも、災害時に以下のような質問が多数寄せられたとビースポークはコメントしている。

  • 豪雨が道路が冠水してるとニュースで見たけど、私の予約したホテルは大丈夫?
  • 事前に予約したレストランは、通常通り営業しているの?
  • 新幹線の運行にも影響が出てるみたいだけど、私の乗る新幹線は動いている?
  • 余震が続いているけど、万が一の場合、どこに避難すれば良い?
  • 地震の影響で1泊分泊まれなかったけど、返金対応はしてもらえない?

地震や台風などが起きた際に、海外で情報にアクセスできないのは不安であるに違いない。こうした状況の中で、安心してもらうためのアプローチとして「Bebot」のようにテクノロジーを用いた対応が増えることは素晴らしい。