ソニーは新たな低消費電力広域(以下、LPWA:Low Power Wide Area)ネットワーク技術を開発した。LPWAネットワーク技術とは、伝送するデータ量が少ないIoT用途で大きな需要が見込まれる、低消費電力かつ広域で利用可能な無線通信技術。同技術は高感度であることから遠距離や高速移動中でも安定的な無線通信を実現できる。長距離通信が可能であること、通信機器の低消費電力化が可能であることなどが特徴として挙げられ、IoTの分野で発展が見込まれている。

今回ソニーが開発したLPWAネットワーク技術は、ソニーが長年コンシューマーエレクトロニクスの分野で培ってきたノウハウを応用しているという(光ディスクに使われている誤り訂正などのデジタル信号処理技術、テレビチューナーなどに搭載の高周波アナログ回路技術および低消費電力のLSI回路技術など)。

これまで実施した通信実験では、山の上や海上など障害物が無い場合には100km以上の遠距離通信に成功したほか、時速100km/hの高速移動中でも安定的に通信できることを確認しているそうだ。

LPWAの特性を活かし、登山や乗船時などに携帯した送信機から、受信基地局を経由して得るデータを活用することで、携帯者の位置情報をリアルタイムに把握する見守り用途や、車などのレンタル事業におけるアセット監視、ドローンの位置情報追跡など、本技術が多様なサービスへ活用されることを想定している。