大阪市では平成19年に比べ7年間で認知症高齢者が42%増加。一方、大阪府での介護人材の不足も顕著で、2025年には大阪府は3万3千人の介護人材が不足するといわれている

株式会社NTTデータ関西はこうした課題を解決していくべく、公立大学法人大阪市立大学と大阪市立弘済院附属病院とともに、認知症疾患医療センターの指定を受けている弘済院附属病院において、コミュニケーションロボットによる認知症診断支援の実現性を検証する実証試験を2017年4月より開始する

この実証実験では、コミュニケーションロボットとの会話ログ結果と医師による診断の結果の違いを分析し、コミュニケーションロボットによる認知症診断支援の効果について評価を行う。

実証試験にはヴイストン株式会社のコミュニケーションロボット「Sota™」を利用し、認知症診断の対象者は会話シナリオに従い「Sota™」と会話を行う。

NTTデータが提供するクラウドロボティクス基盤が認知機能評価のための会話シナリオと会話ログを提供する。コミュニケーションロボットを通じて収集した情報をクラウドロボティクス基盤で統合的に解析、効果測定については大阪市立大学、弘済院附属病院と協力して進める。

実証試験は2017年6月まで行い、結果を踏まえて診断支援アルゴリズムの開発および様々なデバイスへの適用を検討する。今後、コミュニケーションロボットを使った認知症診断支援ソリューションの実用化を行い、認知症の予防・早期発見・医療現場の人材不足解消の実現を目指す。