東京都は、義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方、妊娠初期の方など、援助や配慮を必要としている方々を対象に配布されている「ヘルプマーク」の普及推進活動を行っている。これまでにヘルプマーク特設サイトやヘルプマーク作成・活用ガイドライン等を通じて、都民や民間企業への普及を図り、自治体にも活用を働きかけるといった活動に取り組んできた

経済産業省では、案内用図記号を規定する国内規格(JIS)について、日本人だけでなく外国人観光客にもより分かりやすい案内用図記号とするため、JIS改正原案作成委員会で議論を行い、温泉マークを含む7つの案内用図記号の変更及び「ヘルプマーク」の追加について最終案を取りまとめた。ヘルプマークのJIS化により、ヘルプマークが全国に普及し、援助や配慮が必要な人がいることへの気づきや思いやりのある行動の促進が期待されている。

トヨタ自動車も東京都が進めているヘルプマークの普及活動に賛同し、車いす体験会での冊子配布やヘルプマークの紹介に加え、従業員食堂やコミュニティスペースでのポスター掲示を通じ、従業員への周知活動を展開している。同社は「クルマづくりを通じて社会に貢献する」という理念を創業の原点とし、クルマ作りを通じた社会貢献に加え、「いい町・いい社会」の実現に向けた活動を実施してきた。

同社は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、東京地区をスポーツや多様性、おもてなしの発信拠点を目指す「東京MYチャレンジ」を3月25日よりスタート。活動の一環として、特例子会社であるトヨタループスの車いすユーザー社員と共に、車いす体験会を東京本社で開催している。

世田谷区でも、平成28年度にヘルプカード、案内用のリーフレット、それらを収納するための箱を作成。作成済みのヘルプカードも加えた配布用のセットとして、区役所の福祉の担当部署や障害者施設等に加え、区内のまちづくりセンター(27ヵ所)、区民センター(12ヵ所)、図書館(地域図書館、図書館カウンターを含めて23ヵ所)で配布を開始している。