楽天株式会社と株式会社テレファームは、インターネットを介した地域支援型農業サービス「Ragri(ラグリ)」を開始した

CSAは、生産者が消費者から特定の生産物の発注を前払いの形で受けてから作付をすることで、計画的な生産と収入の安定化を図る農業の仕組みだ。

一般的に農業は、収穫の時期や量、価格動向、また天候などの外的要因によって大きく影響を受ける。CSAでは、こうしたリスクについても、消費者から同意を得た上で売買契約を結ぶことになる。

CSAはしばらく前からソーシャルセクター等では注目されていたが、「Ragri」はCSAにインターネットを組み合わせている。

地域支援型農業サービス「Ragri」

「Ragri」は、2016年6月に楽天が出資を発表したテレファームが運営していたサービス「遠隔農場テレファーム」がベースになっている。今回、両社が共同でウェブサイトおよびサービス内容を大幅にリニューアルした。

ユーザーは、オーガニックや特別栽培農作物など、無農薬、無化学肥料にこだわった作物が中心のラインアップから、注文したい作物と生産者を選ぶ。

作物の種や苗から育てていく過程を、オンライン上の疑似畑の世話をしながら収穫を待ち、実際の作物の成育状況は生産者から送られる写真やコメントで確認することができる。収穫を迎えた作物は、産地直送でユーザーの指定場所に届けられる。

台風などの自然災害により、収穫が行えない場合や、各作物に設定されている最低収穫量を下回った場合は、支払った栽培料相当額の「楽天スーパーポイント」が付与される。

「Ragri」は、消費者と生産者をつなぐプラットフォームを提供する以外にも、新規就農者の支援を行う。テレファームは、新規就農者の採用、研修をすでに愛媛県内で開始しており、今後全国に展開していく予定だという。

今後、生産者とのコミュニケーション機能の追加や、少量多品目の野菜詰め合わせプランの導入など、サービスの拡充も検討しているそうだ。