会計、労務など事業を営む上で必要不可欠な業務を簡単なものにしようというトレンドがここ数年続いている。「注力すべき作業に時間を割けるように」というメッセージと共に、様々なクラウドサービスが登場している。

しかし、多くのクラウドサービスはターゲットが広く、特定の業種の課題解決には活用しづらいこともある。作家やアーティストといった職業の人々が、モノを売る、管理するといった作業が苦手であり、解決策を必要としていることは想像に難くない。

株式会社モンキーブレッドが開発しているのは、こうした作家やアーティストの人々の活動を支援するためのサービスだ。

オンラインストアとブランドサイトをハイブリッドした「KATALOKooo(カタロクー)」

KATALOKooo(カタロクー)」は、4月7日より新しくサービスを開始するウェブサービス。ブランディングとビジネスを両立させるために、ブランドや作家を発信するブランドサイトであると同時に、ウェブショップとしても機能することを目的に開発された。現在、ジュエリーブランド「simmon」など一部ブランドがテスト利用している。

簡単にオンラインショップを開設できるサービスも増えたが、こうしたサービスではブランドイメージを表現することが難しいーー「KATALOKooo」ディレクターの翠川 裕美氏はそう語る。

翠川氏は、株式会社スマイルズや株式会社イデーで宣伝販促室にてブランド全体の販促企画を担当してきた人物だ。2013年10月に企画、販促プロモーション、デザイン、アーティストマネジメントなどを事業とする会社を設立。アーティストや作家の支援を行ってきた。

翠川氏が数々の作家やアーティストを見てきて感じたことが、ブランドに合わせた表現が可能であり、かつ更新しやすい販売サイトの必要性だった。

アーティストが展示会に出展したり、雑誌で取り上げられたりしても、サイトには最新の作品が掲載されていなかったり、掲載されていたとしても購入ができなかったりすることがほとんどなんです。ファンの人が気になってサイトを訪問しても、購入にはつながらない。こうした機会損失をなくすために、「KATALOKooo」を開発しました(翠川氏)

「KATALOKooo」は使いやすい管理画面が用意されており、商品の登録や買い物履歴や検索履歴の閲覧、売上レポートの確認などが可能になっている。同サービスを利用することで、作家やアーティストはサイト更新の手間やショップ運営の手間を減らすことができる。

だが、作家やアーティストといった人々はテクノロジーを扱うことにも慣れていないことも多い。そこで、「KATALOKooo」はテクノロジーと人的支援のハイブリッドでサービスを展開していく。

これまでの販促やアーティストマネジメントの経験も活かして、サポートを提供します。ターゲットや価格の設定など、ブランドに合わせた提案を行い、新商品やイベント情報などの告知、シーズンに合わせたお知らせなど販売促進に関するフォローや、商品撮影や掲載用の素材の手配などもサポートします(翠川氏)

「KATALOKooo」は、英語・中国語の表示にも対応する予定だ。海外からの注文も、配送料や納期を自動で計算し、納品書まで対応言語で抽出可能となっており、日本国内と同時に海外対応が可能になるという。

作家、アーティストによっては海外にファンがいることもあるが、海外に商品を販売することはハードルが高かった。「KATALOKooo」を導入することで、越境ECへ挑戦するハードルも下がりそうだ。

「KATALOKooo」を導入することで、サイトやショップ管理、販促やマーケティングのサポートを受けることが可能になる。そうなれば、作家やアーティストは作品作りに集中することができる。データが蓄積されていけば、さらに精度の高いサポートを提供することも可能になるだろう。

「作家がモノづくりに集中できる環境を作りたい」ーー翠川氏はそう語る。優れた作品は人を動かす。素晴らしい作品が世に送り出されていくために、「KATALOKooo」の存在が作家やアーティストに届いてほしい。