株式会社オリィ研究所は、デジタル透明文字盤「OriHime eye」の無償モニターを10名限定で募集開始した

「OriHime eye」は、難病患者と周囲の人との意思伝達に使われている透明文字盤をデジタル化し、手足が動かせない状態まで症状が進行した人でも文字入力や発話を可能にするための意思伝達装置。

従来の透明文字盤は、患者と読み手の間にかざし、読み手は互いの視線と文字が一直線になるように文字盤を動かす。該当しそうな文字を読み上げるか指を差して患者さんの合図特定する、といった使い方をしていた。

「OriHime eye」は慣れれば1分間に30文字前後の入力が可能で、初めて利用するユーザーでも操作ができるよう開発されている。これまで他の意思伝達装置が使えなかった人でも利用できたケースもあり、すでに日本全国のALSをはじめとする難病患者の方々に導入され、高い評価を受けているという。

今回の無償モニターの対象者は現在、他の意思伝達装置を使っていない人など幾つか条件があり、期間は基本30日間、条件を満たすと最大半年間無償で使うことができるという。

ユーザーはパソコンを用意するだけで利用可能。パソコンのスペックはWindowsで8以上、また、i5と同等かそれ以上のCPUスペックが必要であり、持っていない場合5000円での貸出も可能となっている。

「OriHime eye」は、オリィ研究所が提供する分身ロボット「OriHime」と合わせて使うこともできる。分身ロボットOriHimeとは「存在感の伝達」をコンセプトに作られた遠隔操作ロボットで、カメラ、マイク、スピーカー、モーターを内蔵。操作者はインターネットを通してOriHimeを動かし、周囲を見回したり、手を挙げるなどのジェスチャーをして、周囲の人とコミュニケーションできる。

分身ロボットOriHimeとOriHime eyeソフトウェアを組み合わせて使うと、自宅から視線でロボットを操作し、同窓会に参加したり、結婚式に参加して肉声やOriHimeの合成音声でお祝いを述べることなどが可能になるという。