孤独・孤立のリスクが高まる夜間に、若者が安心して過ごせる場をどうつくるか。認定NPO法人育て上げネットが、休眠預金を活用した助成事業「若者とつながるための『夜の居場所』創出および経営運営支援事業」の公募を開始した。1団体あたり1,500万円〜2,000万円を助成し、全国から5団体の採択を予定している。
夜間の支援空白に着目した事業設計
若者の孤独・孤立は、社会的な課題として認識が広がりつつある。一方で、自殺のハイリスク時間帯とも重なる「夜間」に焦点を当てた支援体制は、まだ十分に整備されていない。今回の助成事業は、この支援の空白に着目し、夜の時間帯に若者が集まれる場所や支援を受けられる体制の構築を目指すものだ。
注目すべきは、単なる「場の運営」にとどまらない事業設計にある。活動を通じた調査研究や、将来的な制度化を見据えたアドボカシー(社会実装への働きかけ)も目的として明示されている。現場の実践と研究を組み合わせ、社会モデルとしての知見を蓄積しようとする姿勢がうかがえる。
助成の概要と求められる要件
事業期間は2026年7月から2029年2月末まで。対象となる団体には、週1回以上、午後5時〜午後11時の間で3時間以上の開所が求められる。加えて、まだ支援につながっていない若者へのアウトリーチ活動や、ソーシャルワーカー等の専門職の関与、効果測定のための調査研究への協力も条件に含まれる。
応募できるのは、NPO法人や一般社団法人等の法人格を有し、設立・活動開始から3年以上が経過した団体。若者支援の実績があり、決算を2回以上経験していることも要件となっている。
公募期間は2026年4月10日(金)から5月8日(金)18時まで。4月17日にはオンラインでの説明会、4月24日〜5月1日には個別相談会が予定されている。結果通知は5月下旬の見込みだ。
夜間という時間帯に着目した支援は、既存の制度や仕組みではカバーしきれない領域に踏み込む試みといえる。現場での実践を通じて得られる知見が、孤立する若者を支えるエコシステムの一部として、どのように社会に根を張っていくのか。その動向に注目したい。
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