一般社団法人We are Buddiesは、オランダ発の子どもと大人のバディプログラム「We are Buddies」を2022年12月より、オープンロード合同会社との協業で、新たに千葉県市原市でも始めることを発表した。

「We are Buddies」は、オランダで40年以上バディプログラムを提供しているVitalismaatjesの活動を参考に開発された。同プログラムでは、5〜18歳の子どもと大人がバディとなり、月2回ほど共に過ごしながら、2年かけてフラットな関係を築いていく。これまでに東京で50組、群馬で13組のバディが組まれてきた。

ボランティアは、運営メンバーが面談を重ね、「どんな子どもに対しても1年以上コミットする」という気持ちをもった人たちが参加しているという。対象となる子どもは、乳幼児がいて十分に時間を割けてあげられない兄姉だったり、障がいでケアが必要な子の兄弟・姉妹だったり。「他者が子育てに関わった方が良さそうなご家庭のお子さん」が多いという。運営メンバーが保護者・子どもと面談を実施して、最終的にバディプログラムに参加するかが決定する。

同団体が発信しているこちらの記事によると、プログラムに参加したある子どもは、回数を重ねるごとに、徐々に心を開いていき、自由に遊ぶようになったそうだ。一方で、こちらの記事では、バディの大人が「子どもと遊んであげているという感じは一ミリもなくて、単純に一人の友達として、Sちゃんとの関係を楽しんでいる」と言う。

一般社団法人We are Buddiesが支援しようとしているのは子どもだけではない。プログラムを通じて、子どもと大人の関係構築だけでなく、保護者が「ひとりで頑張らなくていいんだ」と思えることも重要視している。同団体の代表である加藤愛梨氏は、子どもと大人の信頼関係が社会のセーフティーネットの1つとして機能していると知ったことが創業のきっかけであると述べている。そうした創業背景も同団体が保護者も支援の対象としていることに関係するのだろう。

子どもには、親や教師など普段接する大人には言いづらいことがきっとある。子ども時代、「本当はもっとお母さんに甘えたい」「友人に冷たい言葉を投げつけられて悲しい」、そんな気持ちを誰に受け止めてもらえればいいのかわからなかったという人もいるのではないだろうか。もし、相談できる大人がいたら、どれだけ楽になれただろう。今回の活動拡大で、子どもたちの孤独が減り、のびのびと過ごせる時間が増えたらと願う。

(Photo via We are Buddies)