中高生の探究活動を支援する一般社団法人ウィルドアが、中高生のためのオンラインユースセンター「willdoor Compass」を開設した。

10代のためのサードプレイス「willdoorCompass」

willdoor Compassは、課外活動をしたいという意欲のある中高生を対象とした、オンライン上のユースセンターだ。主に、「オンラインスペース」「オンライン個別相談」「課外活動知恵袋」の3つのコンテンツを提供している。

オンラインスペースでは、オンラインイベントが毎週実施され、他の中高生やスタッフとコミュニケーションを取りながら、自分の探究活動を進めていくことができる。オンライン個別相談は、LINEで簡単に予約ができ、大学生や社会人のスタッフに1対1で相談可能だ。

さらに、課外活動知恵袋は、探している情報や悩みについてオンライン上で記入すると、認定相談員からの回答を得られるシステムになっている。全国の専門家や、専門家とのつながりをもつスタッフが、認定相談員として協力する体制が整えられているという。

「探究的な学び」における経験格差の課題

「探究的な学び」が重視されるようになり、学校外で参加できる体験活動プログラムを行う企業や団体は増えてきている。一方で、そうした多様な機会を認識できるかどうかは、住んでいる地域や学校、家庭などの環境によって格差が生じていると言える。

さらに、中高生にとっては、自分自身でつながりをつくりながら活動していくことは難しく、活動のサポートを受けられる環境にあるかどうかも重要になる。実際、ウィルドアのリリースによると、7割の高校生は課外活動をしたことがなく、「やりたいことを探したい/深めたいという意欲はあるが、どう動いていいかわからず動き出せずにいる」と回答した高校生が一定数いたという。

こうした背景から、全国どこからでも参加でき、ユースワーカーや専門家とつながりながら探究活動を行えるユースセンターの存在は重要になる。これまでもオンライン上のユースセンターの取り組みはあったが、willdoor Compassは、中高生が専門家ともつながれることや個別相談を中高生の都合に合わせて予約できること、期間限定ではなく長期的に活動できることなどが特徴になるだろう。

今回の事業は、2022年度の経済産業省 「未来の教室」実証事業の一環として行われており、今後横展開されていく可能性も高い。willdoor Compassを通して、課外活動の最初の1歩目を踏み出す中高生が増えることに期待したい。