保育園向け給食支援サービス「ベビーズファン」を提供する株式会社sketchbookが、澤田インベストメント株式会社を引受先とし、プレシリーズAファーストクローズでの資金調達を実施した

ベビーズファンとは、保育園の給食運営をトータル支援するサービスだ。独自の献立作成システムを使うことによって、献立作りや栄養価計算が不要になる。また、ミールキットを使えば、食材の発注や買い物、調理における下処理とカットの必要がない。これにより、給食の業務において、事務作業や調理にかかる時間を大きく削減することができ、最小限の人数で給食を運営することが可能になる。

時間が削減される分、保育士や管理栄養士が、子どもたちの食育に時間をかけられるようになることも期待される。ベビーズファンでは、食育をサポートするコンテンツも合わせて提供しているという。

現在、多くの保育園が人員不足という課題を抱えており、特に給食にかかる業務の負担は大きいという。アレルギー対応食、離乳食、職員食など、数種類の献立を用意しなければならないのも保育園の給食の特徴であり、時間がかかる要因となっている。

こうした現状では、労働環境の悪化にもつながりかねない上に、「食育」の時間を確保することが困難になりうる。食育は、厚生労働省が発行する「保育所保育指針」においても推進されている取り組みだ。近年、食生活の乱れや思春期痩せ、肥満、孤食といった問題が増加している中、乳幼児の段階で、生活の基礎となる食事の習慣をつくり、食事の大切さや食事を通したコミュニケーションの楽しさを実感することは重要になる。そのために、保育士が食育に時間をかけられるような環境づくりが求められている。

ベビーズファンは、こうした保育園の給食に関する課題を解決するためのトータル支援サービスだ。今後は、調達した資金を用いて、システム開発や営業の体制強化を行うとともに、子どもたちに向けた食育コンテンツや保育園の職員のスキルアップ支援などのサービスを拡充させていく予定だという。

近年は、保護者の働き方の変化などに伴い、保育園で過ごす時間が長くなっている子どもも多い。保育園で提供される給食は子どもたちの心身の成長にとって大きな役割を担っていると言える。「ベビーズファン」によって、保育園の職員の労働環境が改善されるとともに、保育園における給食や食育の質が向上していくことに期待したい。

(Photo via ベビーズファン