配車サービスとしてUberと競合していることでも知られるLyftは、電動キックボードのサービスも展開している。同社は、電動キックボードのバッテリーが寿命切れになった際に、埋立地に送られ、環境に負荷をかけることにならないよう、元テスラ共同設立者であるJB Straubel氏が設立したバッテリーをリサイクルスタートアップ、Redwood Materialsとの提携を行った、とThe Vergeが報じている

Lyftはいくつかの都市からの撤退を明らかにしており、それに伴って電動スクーター等の処分をどうするかを考えなければならない状況にあった。都市からの撤退が起こらなかったとしても、電動キックボードのバッテリーの寿命は5年ほどとされており、数年が経過すれば何かしらの方法での処分が必要になる。その課題を解決するパートナーとして白羽の矢が立ったのが、Redwoodだ。

同社は今年の7月28日、新規で7億ドル以上の資金調達を実施しており、EV用のリチウムイオンバッテリーの製造に必要なリチウム、コバルト、ニッケルなどの回収規模を拡大すると発表していた。また、トヨタ自動車の米国法人であるToyota Motor North America(TMNA)と、米国のRedwood Materialsは、ハイブリッド車(HV)や電気自動車(EV)の再生事業で提携している

カーボンニュートラルに向けた動きが世界的に加速していく中で、RedwoodはEVに用いられるバッテリーの製造に用いられるマテリアルの回収を行ってきており、今回のLyftとの提携によりマイクロモビリティの領域へと進出し、さらに回収するバッテリーの数を増やした。同社は単にリサイクルを手掛けているだけでなく、EVを開発する上で重要なレアメタルの生産へと事業を拡大し、11月にはパナソニックエナジーとの提携を実施している

カーボンニュートラルへと世界が向かっていく上で乗り越えるべき課題は多くあるが、Redwoodのアプローチは今後さらに大きなインパクトを与えるものとなって行くと考えられる。