福島県国見町を拠点に、福島の農家の所得向上と都市に住む働く女性の生きやすさの向上を目指す株式会社陽と人は、「ゼブラ企業」への投資や経営支援を行う株式会社Zebras & Companyからの1,000万円の資金調達に対する基本合意書の締結を発表した。

陽と人は、福島の特産である桃の規格外品の販売事業から始まり、国見町で農業を営む方々との信頼を形成し、2020年から同じく特産であるあんぽ柿の製造工程で捨てられていた柿の皮を利活用したデリケートゾーンのトータルケアブランド「明日 わたしは柿の木にのぼる」を展開している。

Zebras & Companyは、今回の出資の発表と同時に、今回の投資理念とスキームを基にしたタームシートの雛形(LIFE type1 : Long-term Investment structure for Future Equity=将来の公正のための長期的投資スキーム 試作1)を公開している。

今回の投資スキームでは、将来の見通しが難しい立ち上げ初期のフェーズでも、経営者と投資家がフラットな関係性の元で一定の成長を遂げた後のリターンの設計についての対話を促すスキーム作りを目指したという。同タームシートの公開により、IPOやM&Aなどのイグジットを前提としない投資を検討する投資家や起業家に応用してもらうことも視野に入れているそうだ。

IPOやM&Aなどを視野に入れてはいないものの、事業の成長を目指そうとする起業家にとってファイナンスの手段は限られる。Zebras & Companyによる今回の出資と、そのスキームの公開は社会課題の解決と自立的経営の両立を目指そうとする企業や、そういった企業を支援したい投資家にとって参考になる。

陽と人は、「地域にとってどのようにしたら持続可能な企業となるのか」を突き詰め、実行していくために、企業としてのガバナンス・資本政策はもちろん、今後様々な新しい仕組みをZebras & Companyと共に作り、適正規模の成長と社会課題の解決の両立を進めていく。