デジタルフットプリント追跡管理サービス「Mine」は、インターネットに取り残されているパーソナルデータの削除・管理を自己決定したい市民にとって新たな選択肢を見せる。「Mine」のサイト上には、こんな文章が書かれている。

インターネットがあなたのどんな情報を持っているか見つけ、デジタルフットプリントを自らコントロールしましょう。あなたは、自分のデータがどこにあるべきか、どこにあってはならないか判断することができます。我々のテクノロジーは、プライバシーの権利を用いてあなたが自分のデータをコントロールすることを可能にします。

私たちは、自分のデータがどう使われているかに無関心になってしまっている。たしかに便利かもしれないが、自分のデータに関する権利を放棄してしまっているに近い状態だ。「Mine」が言う「データのオーナーシップ」とは、オンラインの利便性を享受する一方で、個人のデータは個人が所有し、他者に譲渡するかどうか判断するのも個人であるという考えに基づく。

Mineは、パーソナルデータを四種類に分類。ユーザーが、フィナンシャルデータ、アイデンティティデータ、活動データ、ソーシャルネットワークデータを企業に渡していることを発見したら、データの所有権を取り戻し、自らがコントロールできるよう支援する。

「Mine」を提供するMineは300万ドルの資金調達を経て、イギリスで2020年1月にローンチした。将来的には有料化を予定しているとのことだが、現在は無料提供中だ。

リリースから1年も経っていないが、すでに400万ものオンラインサービスを解析。データの所有権を主張するユーザーからの削除要求が180千件も実施された。こうした反響から、市場としても、ユーザーとしても、「Mine」には期待が寄せられていることが伺える。

個人情報保護法の改正も進むなか、サービス提供者側がデータプライバシーを理解する難しさは課題だが、Mineのアプローチはこうした現状に一石を投じるものになりそうだ。