筆者もNPOの運営に携わっていて日々感じていることだが、非営利組織の運営に必要なツールは散らばっていて、組み合わせて使わなくてはならない。リテラシーの高いメンバーが集まる組織であれば可能かもしれないが、大抵は1つのサービスで完結するほうがいい。

AssoConnectには、テンプレートベースのウェブサイトビルダー、メンバーのデータベースを一元化できるCRM、メンバーシップと寄付の直接処理、納税申告用フォームを自動的に生成できる寄付モジュールの作成、オンラインストアも作成も可能だ。加えて、寄付、会費、チケット販売などに基づいて正確な会計報告書を生成する支援をしてくれるという。

これだけ集約してくれると、非営利組織側はこのツールを使いこなせるようになればいい。ウェブでの発信、寄付の決済、CRM、会計申告など、様々な作業に手間取っているうちに、本来の目的である社会課題の解決のために使う時間が減ってしまうことも減りそうだ。

同サービスは、30人以下の組織に対しては無料で提供する。だが、それ以上の場合には、サブスクリプションで料金を支払う。マーケットのサイズがどれだけかは気になるところだが、TechCrunchによればXAngeとISAIが主導するラウンドで700万ユーロ(約8億4000万円)の資金調達を行っているという。

非営利セクターにおけるツールの登場やマーケットの成立は日本でも待ち望んでいることだ。こうした事例にはビジネス的にも成長して、他国でのモデルケースになってもらいたい。