fermataとMistletoeは、国内外のFemtech関連企業の支援を目的とした「fermata Fund(フェルマータ ファンド)」を共同出資で設立した。2020年の秋をめどに、25億円規模の1号ファンド「fermata Fund」を始動させる予定だという。

孫泰蔵氏がファウンダーを務めるコレクティブ・インパクト・コミュニティMistletoeと連携するfermataは、2019年10月にスタートしたコミュニティ育成&スタートアップ支援エコシステムだ。女性の活躍を支援するテクノロジーの社会浸透を加速させ、多様性のある社会の実現を目指して活動している。

注目を集めるではあるがFemTechだが、新たな産業であるため資金調達が困難でもある。fermataは、「『女性の健康』は未だ社会的にタブー視される傾向が多いジャンルです。そのため、世界のFemtech関連事業に対する投資は、ヘルスケア分野全体への投資額の約1.4%にとどまっています。また、ヘルスケア専門のキャピタリストであっても、Femtechへの投資経験があるのは約20%であると言われています」とリリースで述べている。

1号ファンドとなる「fermata Fund」 を通じて、良質なプロダクトやサービスを提供するスタートアップに資金が流れる仕組みを確立し、Femtech産業を活性化させたいというのが、fermataの考えだ。FemTechビジネスの可能性を実証できる場と、fermataが創り出すユーザーコミュニティ。双方をつなぐことで、新たな変化を作り出そうとしている。

2020年2月時点で、妊活デバイスを開発するLady Technologiesや、衛生用品を製作、販売するCome&goneへの出資を予定しているという。市場が成立する領域では、市場を通じた課題解決ができるのが理想だ。だが、最初にチャレンジする起業家のハードルは高い。かつて、スタートアップが日本に根付いていなかったころにエンジェルやインキュベーションの仕組みが生まれたように、FemTechという土壌が育つためのfermataの動きに注目したい。


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