「『スローネス』へのパラダイムシフト」

あらゆるものがファスト化していく中で、疲弊する人も散見されます。一つひとつのできごとへの関わりが薄くなってしまったり、ただ過ぎ去ってしまっていくことのないよう、スローなデザインが好まれるようになるのではないでしょうか。スローなものが身の回りに増えれば、人は批評や熟慮のための余白を手に入れ、よりクリエイティビティを発揮できるようになる、そんな気がします。(モリ)

「元号の変化」

今年は何と言っても天皇が変わる。そして、それに伴い元号が変わる。元東京都知事で作家の猪瀬直樹氏がたびたび指摘している通り、元号の変化というのは、単なるイベントではなく、日本国民全員の時間軸が一斉に更新される国の大きな転換点である。「平成」が「昭和」を一瞬にして過去にしてしまったように、今回も「平成」はあっという間に過去にされるのだろう。この更新が日本人にどういった影響を与えるか、冷静に注目したい。(山本)

「グラフィックノベル」

昨年、殺人報道をめぐる陰謀論やフェイクニュースの問題に切り込んだグラフィックノベル「Sabrina」が、イギリスの由緒ある文学賞ノミネートされ話題になりました。移民問題や人種問題、セクシュアリティなど、社会性の高い題材を扱う海外グラフィックノベルの邦訳も出てきています。それらも楽しみつつ、グラフィックノベルという形式でのストーリーテリングが持つ可能性についても考えていきたい。(向)

「ウェブメディアの写真」

ここ1-2年ほどで、写真にこだわるメディアが増えてきている印象があります。その中で、媒体ごとのビジュアル(写真の絵作り)のトンマナをどう作るかは難しい課題だなと考えています。一歩間違えると、同じようなトンマナ写真がどの媒体にも並ぶようになってしまいます。その中で、差別化していくにはもう1歩踏み込んだ絵作りが必要です。そのヒントに今年どこかで出会えるといいなと期待しています。(小山)

「感覚の拡張」

2018年に出版されたマイケル・ポーランによる新著『How to Change Your Mind』のテーマは、サイケデリック・ドラッグだった。ノンフィクションライターとしてのポーランがLSDやマジックマッシュルームを体験しながら、レポートする。体験を通じて、それらのサイケデリック・ドラッグは人間のクリエイティビティを高めるのか?を確かめようとするものだった。日本でも、ゲームクリエイターの水口哲也が「シナスタジア(共感覚)」をキーワードに五感を拡張するようなゲーム制作に取り組んでいる。体験するかどうかはひとまず置いておいて、感覚の拡張はいま注目のキーワードのように感じている。(岡田)


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