会社の昼休み、浅草寺近くにあるドラッグストアへ買い物に出かけた。コンパクトな店内に目線の高さ以上まで配置された商品のなかから、目当ての商品を探すがなかなか見つからない。

店員へ訪ねようとすると、ふと不思議な感覚を受けた。周りから日本語が聞こえないのだ。

話している様子から言語はおそらく中国語。店員自身も中国語で接客し、「日本語は通じるかな」と心配になってしまうくらい、そこでは中国語が飛び交っていた。

止まらない“日本ブランド”の人気

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2015年頃まで話題となった「爆買い」ブームからもわかるように、「買い物」を目的に訪れる訪日観光客は少なくない。

JETROが2017年12月に発表した調査「中国の消費者の日本製品等意識調査」では中国6都市に居住する20~49歳の中国人へアンケートを行った結果、訪日観光における「買い物」目的は第3位となっている。

さらに日本製品の購入は、直接訪れて購入するだけに留まらない。

同調査では、訪日観光の際に購入し、気に入ったものをECサイト経由で再び購入している人が約40.4%。これは2016年10月の調査時から約17.7ポイントも増加している。この結果から、日本旅行をきっかけに日本製品をリピートする人の割合が増えていることは明らかだ。

最短5分で自社サイトの多言語化を実現する「WOVN.io」

訪日客からの需要を感じる一方で、自社メディアやECサイトの多言語化はハードルが高いと悩む企業も少なくないだろう。表面の多言語を実現したとしても、海外からの購入者に対し、決済や輸送など整えるべき問題が山積みだ。

そんな企業の悩みを解決するのが2014年に設立した「Wovn Technologies 株式会社」である。同社は自社メディアを最短5分で他言語対応できるサービス「WOVN.io」の提供に加え、ECサイトでの海外展開を支援する「WOVN.io ECパッケージ」サービスを2018年6月に開始した。
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「WOVN.io ECパッケージ」では自社メディアの多言語化から物流・購入・顧客対応などECサイト運営における一連の流れをサポート。また、インターネット広告企業「アドウェイズ」の100%子会社「愛徳威広告有限公司(以下、アドウェイズチャイナ)」と連携することにより、ECサイトへの集客も強化、さらに広告施策実施、分析までを行う。

他言語化は「WOVN.io」を通じ、自社サイトにJavascriptのソースを1行追加するだけで実現する。無料対応では機械翻訳だが、有料オプションを購入すれば人力翻訳を依頼することも可能だ。

また2018年7月には、モバイルアプリの多言語化を実現する「WOVN.app」のβローンチも発表し、多言語化へのハードルは下がってきている。
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中国本土では金盾(きんじゅん)と呼ばれるインターネット規制システムが働き、海外企業が中国のインターネット市場に出られるハードルが高い。

検索エンジンは「百度(バイドゥ)」に、SNSは「微博(ウェイボー)」へと取って変わられているのが現状だ。そのためアドウェイズチャイナとの連携により、中国全土で展開するアフィリエイト「CHANet」を通じて広告事業を展開できることは、中国市場参入を考えている日本企業にとってかなり有益になるだろう。

政府は2020年までに訪日客数4000万人を目標とし、現在も右肩上がりで伸びている。中国からの訪日客数も増えており、旅行中に購入した物をリピート買いしたいという需要は今後も高まることが予想される。

自社サイトを外国語対応しておくことは、今後も高まるインバウンド需要に対して、前提条件と近くなっていくだろう。

img: Unsplash, PR TIMES